小倉総合車両センター

小倉総合車両センター：九州[[鉄道]]の心臓部

北九州市小倉北区に位置する小倉総合車両センターは、九州旅客[[鉄道]]（JR九州）の主要な車両工場です。JR九州本社鉄道事業本部の管轄下にあり、敷地内にはJR貨物九州支社管轄の小倉車両所も併設されています。

歴史と技術革新

1891年、九州[[鉄道]]の工場として開設された長い歴史を持つ小倉総合車両センターは、旧鉄道省、国鉄時代から車両の検査、製造、改造、そして廃車車両の解体まで、幅広い業務を担ってきました。

その歴史においては、日本の鉄道技術発展に貢献した数々のエピソードが残されています。戦前には、日本で初めて速度照査式ATS（自動列車停止装置）を試作。また、蒸気機関車の除煙板（デフレクタ）を独自設計で小型化することに成功し、「小工デフ」や「門デフ」と呼ばれ、広く知られるようになりました。これらの先進的な取り組みは、小倉総合車両センターの技術力の高さを示すものです。

多様な業務と現在の役割

現在、小倉総合車両センターはJR九州の在来線車両のほとんどを整備する重要な役割を担っています。検査、修理、改造など、車両の維持管理に関するあらゆる業務を網羅しています。

特に、筑肥線直流電化区間以外の区間では自走が困難な103系1500番台など、特殊な車両の入出場にも対応しています。また、303系電車や305系電車の工事は、制御装置の違いから一部が福岡市地下鉄姪浜[[車両基地]]で委託実施されるケースもあります。

2011年には、鹿児島車両センター所属車の整備も開始。JR九州の車両管理における中心的拠点としての役割をさらに強化しました。

静態展示と一般公開

構内には、C12形蒸気機関車（C12 222）と485系電車（クハ481-256）が静態展示されており、鉄道の歴史を偲ばせる貴重な存在となっています。

毎年10月、鉄道の日に近い週末には「工場まつり」として一般公開を実施。普段は見ることができない車両工場の内部を一般の人々が訪れる機会を提供しています。

小倉車両所

小倉総合車両センターに併設されている小倉車両所は、JR貨物九州支社が管轄する車両基地です。電気機関車、ディーゼル機関車、貨車の検査・整備を主な業務としています。

小倉車両所は、車体や台車の整備を主に直営で行い、電装品やエンジン、輪軸などの整備は他の車両所やJR九州に委託する体制を取っています。また、JR九州からの受託業務も行っています。

新製車・改造車

小倉総合車両センター（小倉工場時代を含む）では、多くの車両の新製・改造が行われてきました。JR九州発足後は、技術力向上、新規事業拡大、部外流出資金抑制を目的として、自社向け車両を数多く製造しました。

新製車両には9600形蒸気機関車、D51形蒸気機関車、783系電車、811系電車、813系電車、815系電車、200系気動車、72系気動車、77系客車などがあります。また、1000形蒸気機関車、8500形蒸気機関車、60系客車、419系電車、715系電車、717系電車、145系電車、113系電車800番台、783系、787系、811系、103系1500番台、185系気動車、キハ200系気動車、71系気動車など、多数の車両の改造にも携わってきました。

さらに、観光列車として活躍する車両のリニューアルにも積極的に取り組み、「SLあそBOY」「SL人吉」「はやとの風」「いさぶろう・しんぺい」「指宿のたまて箱」「或る列車」「かわせみ やませみ」「海幸山幸」「A列車で行こう」「36ぷらす3」など、多くの車両の改造・リニューアルに貢献しています。

未来への展望

2031年頃には、小倉総合車両センターは現在地から東小倉駅構内へ移転する計画です。今後の発展にも期待が高まります。

門司港車両派出

小倉総合車両センターには、門司港車両派出も存在します。門司港駅構内に位置し、主に貨車の整備を行っています。過去には415系電車も配置されていましたが、2016年の交番検査廃止に伴い、転属しています。

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