山名八幡宮

山名八幡宮

山名八幡宮は、群馬県高崎市山名町に位置する神社で、かつては郷社として地域の人々に崇敬されてきました。

由緒

神社の創建は古く、清和源氏の流れを汲む新田義重の子で、山名氏の祖である山名義範が、安元年間（1175年 - 1177年）に豊前国（現在の大分県）の宇佐神宮から勧請したのが始まりと伝えられています。その後、文治年間（1185年 - 1190年）に社殿が造営されました。

応永年間には、南朝の尹良親王が山名城に滞在した際、城主・世良田政義の娘が親王の子を懐妊し、その安産を祈願したとされています。この故事から、安産・子育て・虫封じの神としての信仰が篤くなりました。

江戸時代の宝永2年（1705年）には、当時の前橋藩主・酒井忠挙より社地と乗鞍が寄進されました。明治4年（1871年）には郷社に列せられています。

現在の社殿は、本殿と幣殿が18世紀に、拝殿が昭和61年（1986年）にそれぞれ建築されたものです。社宝としては、山名義範が奉納したと伝わる「天国の宝剣」や、世良田政義と良王君が奉納した太刀、酒井忠挙が寄進した乗鞍などが所蔵されています。

また、山名八幡宮には二股大根にまつわる信仰があり、拝殿の天井絵には大黒天が二股大根を担ぐ姿が描かれています。算額にも二股大根に関する問題が残されています。縁起物として授与される「張子の獅子頭」は、群馬県の郷土伝統民芸品に指定されており、古くから人気を集めています。

文化財

山名八幡宮には、高崎市指定の重要な文化財がいくつかあります。

山名八幡宮算額: 明治18年（1885年）に、関流の岸幸太郎によって奉納された算額です。
山名八幡宮本殿・幣殿: 本殿は三間社流造銅板葺で背面千鳥破風付、向拝唐破風付の構造で、前橋藩主・酒井雅楽頭によって明和4年（1767年）に建造されました。幣殿も同時期の建築と考えられています。

交通アクセス

上信電鉄上信線・山名駅より徒歩1分
上信越自動車道藤岡ICより車で10分
関越自動車道高崎ICから車で20分

周辺情報

山名八幡宮の周辺には、以下の施設や名所があります。

群馬県道30号線
高崎市立南八幡小学校
高崎市立南八幡中学校
上信電鉄上信線・山名駅
高崎商科大学・高崎商科大学短期大学部
山名城跡
山ノ上碑・山ノ上古墳

山名八幡宮は、歴史と文化が息づく、地域にとってかけがえのない存在です。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

参考文献

群馬県地域創生部文化財保護課『群馬県近世寺社総合調査報告書－歴史的建造物を中心に－神社編』
多野藤岡地方誌編集委員会 編『多野藤岡地方誌』 総説編
『上野国郡村誌』 7　多野郡

関連項目

山名氏
山名城

外部リンク

山名八幡宮

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