徐庶

徐庶の生涯と彼の影響

徐庶（じょ しょ、? - 234年）は、中国後漢末期から三国時代にかけての武将であり政治家でした。彼の字は元直（げんちょく）であり、元の名は福です。徐庶は豫州潁川郡長社県、現在の河南省許昌市長葛市に生まれ、権力や名声がない家系からの出身として、単家と称される寒門に属していました。

生い立ちと武士としての始まり

彼は若い頃から剣の使い手として知られ、義侠心を持つ人物でした。しかし、他者の仇を討つため殺人を犯してしまい、その結果、役人に捕まってしまいます。その後、仲間の助けによって脱出を果たし、この出来事を契機に剣を捨てて学問に専念するようになります。特に、同じ出身地の石韜（せきとう）との親しい関係が彼に大きな影響を与えることとなりました。

中平年間（184年 - 189年）に中原が乱れると、徐庶は石韜とともに荊州へ移住し、そこで司馬徽のもとで学び始めます。彼は諸葛亮や孟建とも親しく交流し、共に学問を探究しました。この時期、彼は諸葛亮の才能に感銘を受け、彼を劉備に推薦します。

劉備との出会いとその後

徐庶が劉備と出会ったとき、劉備は彼の実力を高く評価しました。徐庶は、諸葛亮を劉備に紹介しようとしましたが、無理に彼を連れてくることはできないと伝えたため、劉備は三顧の礼で諸葛亮を迎え入れることになりました。

しかし、後に曹操に敗北した際に徐庶の母が捕虜となり、彼は動揺して劉備に別れを告げて曹操のもとへ赴きます。この選択は、竹林の七賢の嵆康により「友の真の友情」として称賛されています。

魏に仕官後の活動

徐庶はその後、魏に仕官し、黄初年間には彭城の相として曹拠に所属し、更に右中郎将に昇進しました。後に曹拠が降格された際には、人事異動で御史中丞に昇進します。そして、232年に曹叡が権力を強化する政策を推進する中、徐庶は彭国の相に戻り、諸葛亮と同時期に生涯を閉じることになります。

徐庶の友人たちである石韜や孟建は、早くから曹操に仕官し、様々な地位を歴任しました。彼については、諸葛亮がその名を称えて教書を官吏に授けた際、「徐元直はその行動において真理を追求しており、彼の行いを見習いたい」という内容が記されています。

三国志演義での描写

小説『三国志演義』では、徐庶は「単福」という偽名を使い、劉備の軍師として迎えられます。彼は新野城の攻防戦で見事な戦功をあげますが、その母が曹操の策略によって曹操のもとに下ることになり、彼は心の内で決意を抱えます。また、赤壁の戦いにも参加しますが、龐統の策略を見破り、危機を回避することができました。

結び

徐庶の生涯は、当時の歴史の中でも特異なものです。彼は戦士から学者へと変わり、友として互いを支え合う姿を見せました。彼の死は明帝期に記録されており、最期は諸葛亮と同時期に亡くなったとされています。彼の名前は、後世でも彼が残した教えやその行動により語り継がれています。

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