日田駅

日田駅：歴史と変貌を遂げる大分県日田市の拠点駅

日田駅は大分県日田市の中心部に位置する、JR九州久大本線の駅です。単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の合計2面3線を持つ地上駅で、久大本線と日田彦山線BRT（BRTひこぼしライン）の停留所としての役割を担っています。日田市を代表する駅として、長い歴史と幾多の変遷を経て現在に至っています。

歴史：昭和初期からの軌跡

日田駅の開業は1934年（昭和9年）3月3日にまで遡ります。久大線夜明駅からの延伸開通によって誕生し、同年11月15日には天ケ瀬駅への延伸により久大線が全通しました。1937年（昭和12年）には久大線が久大本線と改称。1966年（昭和41年）には昭和天皇と香淳皇后のお召し列車が運行されるなど、重要な駅としてその存在感を示していました。

その後、1972年（昭和47年）に駅舎が改築され、1984年（昭和59年）には貨物と荷物の取扱いが廃止、駅南区画整理事業により駅前広場が整備されました。1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化によりJR九州に継承。1987年2月5日にはみどりの窓口が開設され、利便性が向上しました。

2015年には駅舎の改装工事が完了し、水戸岡鋭治氏によるデザインが取り入れられました。地元産の日田杉をふんだんに使用した、落ち着いた雰囲気の駅舎に生まれ変わりました。しかし、2017年の九州北部豪雨、2020年と2021年の豪雨により、久大本線や日田彦山線が不通となる被害を受けました。2023年8月28日には、日田彦山線BRTの運行が開始され、駅前に乗降場が設置されました。

駅構造：バリアフリー化の進展

日田駅は鉄筋コンクリート造りの駅舎が特徴です。2面3線のホームに加え、留置線3本や気動車への給油設備も備えています。2011年には、国土交通省の方針変更を受け、日田市、JR九州による協力の下、各ホームにエレベーターが設置され、バリアフリー化が進みました。

みどりの窓口、自動券売機、液晶ディスプレイ式の小型発車標、待合室のキヨスクやレンタサイクルなどが設置され、利用者の利便性を高めています。改札口は南口のみですが、駅舎に隣接して南口と北東側を結ぶ地下自由通路が整備されています。駅裏にもロータリーがあり、日田彦山線BRTの乗降場も南口ロータリーに設置されています。

駅舎：改装と新たな可能性

現在の駅舎は1972年建築。2015年には「おんせん県おおいたデスティネーションキャンペーン」に合わせて改装され、地元産の日田杉を用いた洗練されたデザインとなりました。かつて飲食店や土産物店が入居していた2階部分は、現在は活用されていませんが、低価格帯の宿泊施設整備の計画があるようです。

駅前広場：地域イベントの舞台

1984年に整備された駅前広場は、日田祇園祭の集団顔見世などが行われる地域住民の憩いの場となっています。2017年には老朽化対策として改修工事が行われ、噴水の撤去、ケヤキの伐採、ロータリーと駐車場の移設、自由広場の整備などが行われました。約2,000㎡の自由広場にはウッドデッキが設けられ、地元産石材も使用されています。さらに、日田市出身の漫画家、諫山創氏の人気作品『進撃の巨人』のリヴァイ兵士長の銅像も設置され、観光客にも人気となっています。

その他：駅弁の思い出と利用状況

かつては三咲屋が「天領御弁当」など、地元の名物駅弁を販売していましたが、2003年に廃業。その後は寳屋本店が駅弁を販売していましたが、2015年の駅舎リニューアルに伴い販売を終了しました。現在、日田駅では駅弁は販売されていません。

日田駅の利用状況は、開業当初は年間170万人以上の乗降客数を誇っていましたが、近年は減少傾向にあり、2016年度の乗車人員は28万人を下回っています。

駅周辺：日田市の商業中心地

日田駅周辺は日田市の中心市街地です。大型商業施設や商店街、官公庁、公共施設、教育機関、ホテルなどが集積し、活気ある地域となっています。駅前には日田バスセンターがあり、福岡方面への高速バスや、市内各地、近郊の温泉地などを結ぶ路線バスが発着しています。

隣の駅

久大本線：光岡駅 - 日田駅 - 豊後三芳駅

日田彦山線BRT：光岡駅 - 日田駅

日田駅は、歴史と現代が交差する、日田市を代表する駅です。今後も地域の中心として、発展を続けていくでしょう。

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