栂池高原

栂池高原（つがいけこうげん）

長野県北安曇郡小谷村に位置する栂池高原は、白馬岳の東麓に広がる美しい高原地帯です。この地域は、小字の「原（親の原）」「松沢」「川内」を中心としたエリアを指し、南は松沢のアルプス橋から北は親沢川まで、東は国道148号線沿いの集落までを含みます。

名称の由来と標高

高原の名前は、地域内にある「栂池」という池に由来します。高原の上部には、「神の田圃」と称される高層湿原の栂[[池自然園]]が広がっています。標高は、松沢地区の約800メートルから自然園上部の約2,000メートルまで変化に富み、ゴンドラ、リフト、ロープウェイを乗り継いでアクセスできます。

歴史と文化

親の原地区には、近世に糸魚川から塩尻方面へ塩を運んだ千国街道（塩の道）が通っており、周辺には石仏群や牛方宿の跡が残っています。昭和30年代まで、栂池高原は近隣集落の共有地で、牧場や森林、屋根葺き用のカヤ場として利用されていました。昭和40年代にスキー場が開設されてからリゾート開発が進み、民宿やペンションなどの宿泊施設が増加しました。

地理と自然

栂池高原は、栂池という池が名前の由来となっており、ゴンドラリフトやロープウェイを利用して標高約2,000メートル地点まで行くことができます。親の原の段丘地形は白馬乗鞍火山からの火山性堆積物で形成されており、かつて塩の道として利用されていた場所は、第二次世界大戦後に開拓地として利用され始めました。現在は、スキー場や観光地として賑わっています。高原内には、総面積194ヘクタールの栂池高原スキー場や、中部山岳国立公園に指定されている栂[[池自然園]]があります。

栂[[池自然園]]

栂[[池自然園]]は、約100ヘクタールの広さを誇る高層湿原で、多様な高山植物が分布しています。固有種も見られ、5.5キロメートルの遊歩道が整備されています。天狗原への登山道は、自然園の案内板に従い、ビジターセンターの手前から登山道に入ります。ビジターセンターは自然園の入園料を兼ねて有料です。

代表的な植物

• - キヌガサソウ: 8-10枚の大きな輪状の葉の中央に、白い花が咲く日本固有種。6月には新鮮な白い花が見られ、8月にはやや黄色みを帯びる。子房は秋に黒紫色に熟し食べられます。
• - オニシオガマ: 淡紅紫色の唇形の花が咲く多年草。茎や葉に白色の軟毛が密生。本州の日本海側に分布し、深山の湿った谷間に生息します。

気候

栂池高原が位置する北安曇郡は、長野県内でも特に気温が低い地域です。冬期は非常に寒く、標高によって気温差があります。立屋での観測データによると、月別平均気温の最高は7月の18.3℃、最低は2月の-5.2℃で、年平均は7.6℃です。

遺跡

栂池高原には、縄文時代早期の「林がしら遺跡」をはじめ、17ほどの縄文時代の遺跡があります。出土した遺物は、小谷村郷土館に収蔵されています。

交通アクセス

鉄道利用の場合

• - JR大糸線白馬大池駅からタクシーまたは徒歩（約5kmの上り道）
• - JR大糸線白馬駅からアルピコ交通バスで栂池高原下車
• - JR大糸線南小谷駅から小谷村営バスで栂池高原下車
• - JR大糸線信濃大町駅からアルピコ交通バスで栂池高原下車
• - JR大糸線穂高駅からアルピコ交通バスで栂池高原下車

トレッキングコース

• - 千国越えコース：小谷村郷土館から栂池高原松沢口まで約6.8km（徒歩約3時間10分）

高速・特急バス利用の場合

• - バスタ新宿から京王バスまたはアルピコ交通バスで栂池高原下車
• - 大阪、新大阪駅、京都駅からアルピコ交通バスで栂池高原下車
• - JR長野駅からアルピコ交通特急バスで栂池高原下車
• - 立山黒部アルペンルート扇沢駅から特急バスで栂池高原下車

マイカー利用の場合

• - 中央自動車道 安曇野ICから国道147号、148号経由
• - 上信越自動車道 長野ICから国道19号、（主）長野大町線、国道148号経由
• - 北陸自動車道 糸魚川ICから国道148号経由

参考文献

• - 『栂池誌―川内・松沢耕地のあゆみ―』栂池誌編纂委員会 (2003)
• - 『日本大百科全書』小学館
• - 『小谷村誌　自然編』小谷村誌編纂委員会 (1993)
• - 『信州白馬山麓　小谷の本』長野県小谷村観光連盟 (2007)

外部リンク

• - 白馬山麓・つがいけ高原 栂池高原観光協会
• - 小谷村郷土館 小谷村
• - 塩の道を歩く:モデルコース紹介 小谷村観光連盟

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