江差駅

江差駅（えさしえき）

江差駅は、北海道檜山郡江差町に位置していた、かつての北海道旅客鉄道（JR北海道）江差線の駅です。この駅は、地域の交通を支える重要な役割を担っていましたが、2014年の江差線の一部廃止により、その歴史に幕を閉じました。駅の電報略号は「エシ」で、事務管理コードは▲141417でした。

歴史

江差駅の歴史は、1936年11月10日に、官設鉄道江差線の湯ノ岱駅 - 当駅間が開通した際に、一般駅として開業したことから始まります。その後、1949年6月1日に日本国有鉄道（国鉄）に移管され、1960年10月1日には準急「えさし」の運行が開始されました。1975年1[[2月11日]]には、駅舎が木造から鉄筋コンクリート造へと改築され、1980年10月1日には急行「えさし」の廃止に伴い、優等列車の停車はなくなりました。

1982年11月15日には貨物扱いが、1985年3月14日には荷物扱いが廃止されました。国鉄分割民営化に伴い、1987年4月1日には北海道旅客鉄道（JR北海道）に承継されました。1988年2月には、江差線の湯ノ岱駅 - 当駅間がスタフ閉塞化され、1990年9月1日には、江差線の木古内駅 - 当駅間でワンマン運転が開始されました。

1999年12月から2003年3月にかけて、江差線の湯ノ岱駅 - 当駅間では、COMBAT（バリス式列車検知形閉塞装置）の試験が行われました。しかし、2012年9月3日には、JR北海道が、江差線の木古内駅 - 当駅間を2014年度初頭までに廃止することを正式に発表し、2013年4月26日には廃止届が国土交通省に提出されました。そして、2014年5月12日、江差線の木古内駅 - 当駅間の廃止に伴い、江差駅も廃駅となりました。

駅構造

国鉄時代には、多くの貨物側線が存在し、急行「えさし」も発着していましたが、晩年は単式1面1線の地上駅でした。木古内ブロックに所属する社員配置駅（管理駅）で、江差線神明駅 - 上ノ国駅間を管理していました。窓口営業時間外は駅員が不在となり、夜間連絡先は木古内駅となっていました（湯ノ岱駅を除く）。駅舎にはみどりの窓口があり、自動券売機も設置されていましたが、後に撤去されました。トイレも設置されていましたが、営業時間外は施錠されていました。

改札業務は、開業当初は入出場別に行われていましたが、後にみどりの窓口横に専用窓を設けて行われるようになりました。晩年には全列車がワンマン運転となり、車内精算となったため、改札業務は主にみどりの窓口での乗車券購入時に行われる程度となりました。列車の乗降は無人駅と同じ扱いとなり、冬期には除雪車の運用のため、駅での滞泊は行われず、湯ノ岱駅まで回送されていました。

利用状況

江差駅は、日本海に近い丘の上に位置しており、町の中心地までは徒歩で15 - 20分ほどの距離にありました。

駅周辺

駅周辺には、以下のような施設や観光地があります。

姥神大神宮（徒歩20分）
国道227号・国道228号
北海道道215号江差停車場線
檜山振興局庁舎
江差町役場
江差警察署
江差郵便局
江差茂尻郵便局
江差南浜簡易郵便局
道南うみ街信用金庫本店
北洋銀行江差支店
ひやま漁業協同組合江差支所
江差町立南が丘小学校
江差町立江差中学校
開陽丸（復元船、徒歩15分）
江差港
鴎島
エビス浜
* 旧中村家住宅などの商家町並み

また、駅前には函館バスの停留所があり、熊石・大成方面への路線バスが発着していましたが、駅廃止後に停留所名は「陣屋団地」と改称されました。JR江差線の代替バスとして運行している函館バス「江差木古内線」は、旧駅前には乗り入れていません。

駅跡

駅舎やレールは、廃止後しばらく残されていましたが、2016年11月から12月にかけて駅舎が解体され、2017年1月までにレールも撤去されました。跡地周辺では、江差町が町営住宅を建設し、駅舎跡を示すモニュメントや、駅名標を再現した案内表示板、木柱モニュメントが整備されました。さらに、実際に使用されていたレール・枕木・バラスト・車止めを用いた記念施設が完成しました。

駅で使用していた看板や備品などのゆかりの品は、江差町郷土資料館や、旧駅前の店舗跡建物を改装した「旧江差駅資料展示館・地域交流館」に展示されていましたが、「旧江差駅資料展示館・地域交流館」は2021年7月末で閉館し、所蔵品は江差町郷土資料館に移管されました。

晩年の江差駅で販売されていた駅弁「2段のり弁当」は、現在でも江差町内のレストランで味わうことができます。

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）

江差線

上ノ国駅 - 江差駅

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