種智院大学

種智院大学

種智院大学（しゅちいんだいがく、英語名: Shuchiin University）は、日本の京都府京都市伏見区にキャンパスを構える私立大学です。1881年に創設された歴史を持ち、新制大学としては1949年に設置されました。大学の略称は種智院大です。

概観

本学は、学校法人綜藝種智院が設置・運営しており、人文学部の中に仏教学科と社会福祉学科の二つの学科を置いています。真言宗の宗門立大学として、古義真言宗に属する仁和寺、宝山寺、朝護孫子寺、勧修寺、大覚寺、醍醐寺、中山寺、西大寺、教王護国寺（東寺）、清澄寺、泉涌寺、善通寺、須磨寺、随心院といった主要な14の本山が経営に深く関与しています。さらに、真言宗智山派、真言宗豊山派、新義真言宗の三派も教育活動に協力しています。

大学の名称は、平安時代初期の828年（天長5年）、弘法大師・空海が身分や出自に関わらず誰もが学べる教育機関として設立した「綜芸種智院」に由来します。この名称には、教育の機会均等を願う空海の精神が受け継がれています。かつては洛南高等学校・附属中学校と同じ学校法人のもとにありましたが、2011年（平成23年）4月に法人を分離独立し、設置者名称も学校法人綜藝種智院へと変更されました。同時に、石山寺、国分寺、七宝瀧寺、神護寺、平間寺、前神寺、室生寺などが新たに経営支援本山として加わりました。

教育面では、仏教学科において真言密教を中心とした仏教に関する高度な学識を深めます。社会福祉学科では、社会福祉士や精神保健福祉士といった国家資格の受験資格を、卒業と同時に取得できるようなカリキュラムが組まれています。

沿革

種智院大学の歴史は、弘法大師空海が創設した綜芸種智院（828年）に遡りますが、現在の学制に連なる流れは、明治時代に始まります。

828年（天長5年）: 空海が綜芸種智院を創設。
845年（承和12年）: 綜芸種智院、閉校。
1881年（明治14年）: 雲照律師によって「総黌」が開設される。
1886年（明治19年）: 「真言宗事相講伝所」に改組。
1896年（明治29年）: 「私立古義真言宗聯合高等中学林予備校」を設置。
1902年（明治35年）: 「私立古義真言宗聯合高等学校」と改称。
1906年（明治39年）: 「真言宗聯合京都大学」に改称。
1917年（大正6年）: 「真言宗京都大学」に改称。
1929年（昭和4年）: 「京都専門学校」に改称。
1949年（昭和24年）: 新制大学として「種智院大学」が設立。仏教学部に仏教学科（仏教学専攻、密教学専攻）を設置。
1978年（昭和53年）: 仏教福祉学コースを開設。
1994年（平成6年）: 密教文化コースを開設。
1999年（平成11年）: キャンパスを東寺境内から現在の伏見区向島へ移転。仏教福祉学コースを母体とする仏教福祉学科を開設。
2005年（平成17年）: 仏教福祉学科を社会福祉学科に名称変更。
2008年（平成20年）: 仏教学部を人文学部に改称。
2011年（平成23年）: 洛南高等学校・附属中学校との法人分離を実施。設置者が学校法人綜藝種智院となる（法人名称変更）。
* 2015年（平成27年）: 叡山学院と学術協定を締結。臨床密教センターを開設し、臨床宗教師の養成を開始。

教育および研究組織

現在、種智院大学は人文学部を設置しており、その下には仏教学科と社会福祉学科が置かれています（人文学部は2008年4月に仏教学部より改称）。

大学関係者

多くの歴代学長や著名な卒業生を輩出しており、仏教学者、高僧、さらには文化・社会分野で活躍する人物がいます。

交通アクセス

近鉄京都線「向島駅」から徒歩約10分と、比較的アクセスしやすい立地です。

対外関係

洛南高等学校・附属中学校とは、かつて同一法人であったという経緯から、姉妹校のような関係にあります。

詳細情報や最新情報については、公式ウェブサイトや公式SNSアカウント（X, Instagram, Facebook）などで確認することができます。

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