藤倉大

藤倉大 (Dai Fujikura)

藤倉大（ふじくら だい、1977年4月27日 - ）は、日本を代表する現代音楽の作曲家として国際的に活躍しています。

略歴

大阪府に生まれた藤倉は、15歳という若さで単身イギリスに渡り、音楽の道を志しました。ドーヴァー・カレッジ卒業後、トリニティ・カレッジ・オブ・ミュージックでダリル・ランズウィックに作曲を師事。早くもハダースフィールド国際現代音楽祭で作品が初演され、その才能が注目を集めます。

その後、ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックでエドウィン・ロックスバラに師事し、修士課程を修了。キングス・カレッジ・ロンドンでジョージ・ベンジャミンの指導のもと博士号を取得しました。この間、ルツェルン音楽祭ではピエール・ブーレーズ指揮で「ストリーム・ステート」が演奏され、作曲家としての評価を確立。ペーテル・エトヴェシュからも指導を受け、作曲家としての幅を広げました。

2006年には、BBCプロムスでBBC委嘱作品「クラッシング・ツィスター」が初演され、国際的な舞台での活躍を本格化させます。現在はロンドンを拠点に活動を展開。

毎日放送のドキュメンタリー番組「情熱大陸」で特集されたほか、2014年にはオペラ「ソラリス」を完成させるなど、その創作意欲は衰えを知りません。名古屋フィルハーモニー交響楽団やイル・ド・フランス国立管弦楽団のコンポーザ・イン・レジデンスを歴任し、2017年と2019年には東京芸術劇場で開催されたボンクリ・フェスのアーティスティック・ディレクターを務めました。

2020年には、新型コロナウイルスの世界的流行によるロックダウン中に、指揮者の山田和樹とのYoutubeライブ配信を通じてテレ・パフォーマンス作品「Longing from afar」を発表。同年には、4作目のオペラ「アルマゲドンの夢」が初演されました。2023年には、東京国際指揮者コンクールとショパン国際ピリオドピアノコンクールの課題曲に彼の作品が選ばれるなど、現代音楽界における存在感を益々高めています。

2024年12月には、いずみシンフォニエッタ大阪の音楽監督に就任予定です。

作品の特徴

藤倉の作品は、現代音楽の最前線を切り開く革新的な響きと、繊細で感情豊かな表現が特徴です。オーケストラ、室内楽、オペラ、協奏曲など、幅広いジャンルを手掛け、その作品は世界各国の主要なオーケストラや音楽祭で演奏されています。

主要作品

オペラ:
Anti-Opera in one act; This Could Be Beautiful? (2000年)
ソラリス (2013年-2014年)
黄金虫 (2017年)
アルマゲドンの夢 (2018年-2019年)
管弦楽作品:
ゴースト・オブ・クリスマス (2017年)
グローリアス・クラウズ (2016年/2017年)
海 (2014年/2017年)
レア・グラビティ (2013年)
トカール・イ・ルチャール (2010年)
協奏曲:
尺八協奏曲 (2021年)
箏協奏曲 (2020年)
アキコのピアノ - ピアノ協奏曲第4番 (2019年/2020年)
三味線協奏曲 (2019年)
チェロ協奏曲 (2016年/2017年)
ホルン協奏曲第2番 (2016年)
フルート協奏曲 (2015年)
ダイアモンド・ダスト - ピアノ協奏曲第2番 (2012年)

受賞歴

数々の国際的な作曲コンクールで優勝、入賞を果たしており、その才能は世界的に認められています。

カジミェシュ・セロツキ国際作曲コンクール第1位
ハダースフィールド国際作曲コンクール優勝 (2回)
武満徹作曲賞第2位
尾高賞 (4回)
ヴェネツィア・ビエンナーレ音楽部門銀獅子賞
芸術選奨文部科学大臣新人賞音楽部門
* アイヴァー・ノヴェロ賞

藤倉大は、現代音楽の新たな地平を切り拓く作曲家として、今後の活躍がますます期待されています。

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