西ノ島町

島根県 隠岐郡 西ノ島町

西ノ島町は、島根県の隠岐諸島に位置する町で、手付かずの自然と独自の文化が魅力です。人口は約2500人で、島ならではのゆったりとした時間が流れています。

地理

西ノ島は、山がちな地形が特徴で、耕地は比較的少ないです。島の南岸は穏やかな内海で、天然の良港が多く存在します。一方、北岸は日本海の荒波が打ち寄せる、豊かな漁場となっています。1915年には、島の地峡部を貫く船引運河が開削され、南部の港から北部の漁場へのアクセスが容易になりました。浦郷港は隠岐最大の漁業基地として知られています。

歴史

古代には隠岐国知夫郡三田郷に属していました。延喜式神名帳に記載される由良比女神社をはじめ、歴史ある神社が多く点在しています。1332年には、後醍醐天皇が隠岐に配流された際、現在の西ノ島町にある「黒木御所」がその地であったという説があります。

1957年に浦郷町と黒木村が合併し、西ノ島町が誕生しました。2005年には西ノ島大橋が開通し、島内の交通の便が向上しています。2018年には、西ノ島町コミュニティ図書館「いかあ屋」が開館し、地域住民の交流拠点となっています。2021年には新庁舎が竣工し、新たなスタートを切りました。しかし、2023年には町役場での不正会計問題が発覚し、町長らが謝罪会見を行う事態となりました。

離島ブーム

1960年代には、本土からの観光客が増加し、離島ブームが起こりました。隠岐諸島が大山[[隠岐国立公園]]に指定されたことも、観光客増加のきっかけとなりました。それまで観光地として意識されていなかった隠岐の人々にとって、観光客の増加は大きな経済効果をもたらし、民宿や土産物店などが賑わいました。

交通

航路

西ノ島へのアクセスは、主に隠岐汽船のフェリーや高速船を利用します。別府港からは、本土の七類港や境港へ向かう便が運航されています。また、島前内航船が中ノ島や知夫里島を結び、島前地域内の移動をサポートしています。

バス

西ノ島町営バスが島内を運行しており、浦郷と別府を中心に、島内の主要な場所を結んでいます。

道路

国道485号や島根県道が整備されており、レンタカーや自家用車での移動も可能です。

観光

自然

国賀海岸: 摩天崖や明暗の岩屋など、ダイナミックな景観が広がる名勝。
摩天崖: 日本最大級の断崖絶壁。
明暗の岩屋: 長さ250mの神秘的な洞窟。
外浜海岸: 西ノ島で唯一の砂浜。

展望所

赤尾展望所
鬼舞展望所

その他

船引運河: 島の中央部を東西に結ぶ運河。
美田ダム

旧跡・神社

焼火神社: 岩穴に建てられた珍しい社殿。
黒木御所: 後醍醐天皇が過ごしたとされる場所。
由良比女神社: 海上守護神として信仰を集める神社。

文化

芸能

隠岐島前神楽などの伝統芸能が受け継がれています。

行事

でやんな祭: 酒の出来具合を占う神事。
精霊船（シャーラ船）: 盆の送り火の行事。

方言

島内でも地域によって異なる独特のアクセントがあります。

料理

まき: 餅米と粳米を混ぜて作った団子をサルトリイバラの葉で包んだもの。
こじょうい: 大豆と小麦を発酵させた調味料。
赤ノ江巻き: 岩海苔でご飯を巻いた海苔巻き。
* えりやき鍋: シイラを甘辛く煮た鍋。

西ノ島町は、豊かな自然、独自の歴史、そして温かい人々が織りなす魅力的な町です。ぜひ一度、訪れてみてください。

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