越前花堂駅

越前花堂駅：歴史と路線の交差する福井の駅

福井県福井市花堂中一丁目に位置する越前花堂駅は、ハピラインふくい（旧北陸本線）とJR西日本越美北線の2路線が乗り入れる、両社の共同使用駅です。2024年3月16日の北陸新幹線敦賀開業を機に、JR西日本からハピラインふくいへ移管されました。この移管は、越前花堂駅の複雑な歴史と路線構造を理解する上で重要な出来事です。

開業から移管まで：幾多の歴史を刻む

越前花堂駅は、1960年12月15日、越美北線の勝原駅までの開業と同時に旅客駅として開設されました。当初は無人駅で、1968年10月のダイヤ改正（ヨンサントオ）で北陸本線のホームが増設されています。この経緯から、国鉄分割民営化以前は越美北線所属でしたが、南福井駅（貨物駅）から越前花堂駅までの区間が北陸本線単独区間と変更されたことで、営業上は越美北線が北陸本線に接続する形となりました。

国鉄分割民営化（1987年4月1日）により、JR西日本の駅となりました。この際に、越美北線の起点が南福井駅から越前花堂駅に変更されています。その後、2018年9月15日にはICOCAの利用が可能となり、2024年3月16日、北陸新幹線金沢―敦賀間の開業に伴い、ハピラインふくいへ移管されました。青春18きっぷの利用についても、移管後に利用条件が変更されています。敦賀駅と越前花堂駅は途中下車可能ですが、他のハピラインふくい線の駅で下車する場合は全区間の運賃が必要となります。

駅構造と設備：利用者の利便性を追求

越前花堂駅は、ハピラインふくい線に相対式ホーム2面2線、越美北線（九頭竜線）に単式ホーム1面1線を備え、合計3面3線の地上駅です。駅舎はハピラインふくい線下りホーム側にあり、各ホーム間の移動には跨線橋と連絡通路を利用します。九頭竜線のホームは扇形に開いています。

駅構内には化粧室、屋内待合室、自動券売機、ICカード対応の簡易改札機などが設置されています。移管後は、ハピラインふくい社の自動券売機でJR西日本（越美北線）の乗車券も購入可能です。無人駅ですが、移管前は平日朝の時間帯にJR西日本の駅係員が派遣されていました。九頭竜線は一部時間帯で全ドアが開くのが特徴です。接近音は、かつては接近ブザーでしたが、2019年に故障したため、接近メロディーに更新されています。

駅周辺：産業と教育、そして生活の場

駅北側には南福井駅（貨物駅）があり、周辺には貨物自動車運送業や倉庫業の事業所が多く集まっています。東側にはハピラインふくい運転管理センターやJR西日本金沢支社金沢車両区敦賀支所福井派出所があります。また、西方約300mには福井鉄道福武線の花堂駅も存在します。駅周辺には、サカイオーベックス花堂合繊工場、ショッピングシティベル、社会保険診療報酬支払基金福井支部、福井県立羽水高等学校、ライブハウス「福井CHOP」などの施設があります。金融機関として、福井信用金庫花堂支店と春日支店も近接しています。福井交通の乗合タクシー「清水山線」のバス停も設置されています。

隣の駅

ハピラインふくい線では、大土呂駅と福井駅に隣接し、越美北線では、福井駅と六条駅に隣接しています。

まとめ：変化と歴史が織りなす駅

越前花堂駅は、北陸新幹線の開業による路線移管によって新たな時代を迎えています。しかし、その歴史と路線の接続形態は、複雑で興味深いものです。貨物輸送と旅客輸送が交差するこの駅は、福井の地域社会を支える重要な拠点として、これからもその役割を果たし続けるでしょう。

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