アンタルヤ県

アンタルヤ県は、トルコ南西部の地中海地方に位置し、その中心都市であるアンタルヤ市を含む地域です。西にムーラ県、北西にブルドゥル県、北にウスパルタ県、北東にコンヤ県、東にカラマン県とメルスィン県と接しています。南は地中海に面し、北部はトロス山脈が連なる、変化に富んだ地形が特徴です。

観光業の中心地

アンタルヤ県は、トルコにおける観光業の中心地として知られており、毎年多くの観光客が訪れます。その理由は、657kmにも及ぶ美しい海岸線、歴史的な港、そして世界遺産に登録されているクサントスを含む数々の古代都市遺跡です。アンタルヤ大都市自治体と県は同じ範囲をカバーしており、約714,000人の人々が暮らしています。

急速な発展

アンタルヤはトルコ国内でも著しい発展を遂げている地域の一つです。1990年代には、年率4.17%という高い人口増加率を記録し、これはトルコ全体の平均を大きく上回りました。この急成長の背景には、都市化の進展、交通インフラの整備、そして地中海沿岸の開発が挙げられます。

歴史

アンタルヤ県の名前は、紀元前2世紀にこの地を建設したペルガモン王国の王アッタロス2世に由来します。この地域は、歴史的に多くの民族によって統治されてきたため、数多くの遺跡や遺構が残されています。また、3つの自然公園と3つの特別保護地域があり、豊かな自然が保護されています。

古代

アンタルヤには先史時代から人類が居住していました。カライン洞窟からは旧石器時代初期にまで遡る人の痕跡が見つかっており、その後も様々な文明がこの地で栄えました。ヒッタイト時代には「ルッカランド」として記録され、紀元前2千年紀にはリュキア人がこの地域に住み、その巧みな操船術と独立精神で知られていました。古代ギリシア人はこの地域をパンフィリアと呼び、トロイ戦争後にギリシア人の入植が始まりました。この地域は、リュキア、パンフィリア、キリキア、ピシディアといった地域に分かれていました。リュキア王国は、世界最初の民主的な国家であったと言われています。

紀元前7世紀からこの地域はリディア王国の一部でしたが、紀元前546年にアケメネス朝ペルシアによって征服されました。その後、アレクサンドロス大王が紀元前334年頃にこの地の都市国家を征服し、紀元前323年の彼の死後、この地域は後継者たちの間で争われました。セレウコス朝が衰退した後、ペルガモン王国の支配下となり、アッタリア市が建設されました。ペルガモン王国最後の王アッタロス3世の死後、この地はローマ帝国に引き継がれました。

ビザンチン時代

中期ビザンチン帝国の時代、アッタリアの町は成長し、城壁を越えて拡大しました。7世紀にはアラブのムスリムがこの地を支配しようとしましたが、アッタリアはキリスト教の十字軍の拠点となりました。12世紀には、第2回十字軍やリチャード1世の艦隊がこの地に集結しました。

セルジューク・トルコ

11世紀から12世紀にかけて、この地域はトルコ人が増加し、セルジューク朝とビザンチン帝国の間で支配権が争われました。一時、クルチ・アルスラーン1世の王宮が置かれましたが、最終的にビザンチン帝国の支配は1220年に終わりを告げました。その後、アッタリアはキリスト教徒とムスリムの居住区に分かれて発展しました。

オスマン帝国時代

1432年、アンタルヤはオスマン帝国ムラト2世の治世下に入りました。一時、キプロス王国の支配を受けましたが、第一次世界大戦終結までオスマン帝国の統治が続きました。大戦後、イタリアの支配を受けましたが、1921年にトルコ共和国が成立すると、その一部となりました。

トルコ共和国

1993年にアンタルヤ市は大都市自治体に指定され、2012年には県全域がその範囲となりました。

地理

アンタルヤ県の地形は多様で、約78%が山岳地帯、10%が平地、12%が非平坦地です。トロス山脈は500～3000m級で、西部のテケ半島は高原と河川流域が広がっています。このため、内陸部と海岸部では生活様式が大きく異なります。

下位自治体

アンタルヤ県には以下の自治体があります。

アクセキ（Akseki）
アクス（Aksu）
アランヤ（Alanya）
デムレ（Demre）
デシェメアルトゥ（Döşemealtı）
エルマル（Elmalı）
フィニケ（Finike）
ガズィパシャ（Gazipaşa）
ギュンドームシュ（Gündoğmuş）
イブラドゥ（İbradı）
カシュ（Kaş）
ケメル（Kemer）
ケペズ（Kepez）
コンヤールトゥ（Konyaaltı）
コルクテリ（Korkuteli）
クムルジャ（Kumluca）
マナヴガト（Manavgat）
ムラトパシャ（Muratpaşa）
セリク（Serik）

外部リンク

Antalya Web Site

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