エリック・ザ・レッド (プロレスラー)

エリック・ザ・レッド：伝説のバイキング・レスラー

エリック・ザ・レッド（本名：Ib Solvang Hansen）は、1934年8月1日にデンマークで生まれ、1978年11月16日に自動車事故で44歳の若さで亡くなったプロレスラーです。角付きの兜と毛皮のコスチュームを身に着けたバイキング・ギミックの巨漢ヒールとして、北米の主要テリトリーで活躍しました。

デビューと初期のキャリア

1950年代中盤にデンマークからカナダへ移住し、左官工やランバージャックなどを経て、1960年にプロレスラーとしてデビューしました。「赤毛のエイリーク」の名にあやかり、エリック・ザ・レッドをリングネームとして、カナダのスタンピード・レスリングやメープル・リーフ・レスリングなどで活動しました。1965年には、バイキング・ハンセンの名で日本プロレスに初来日し、ジャイアント馬場らと対戦しました。

アメリカでの活躍

1967年からはアメリカにも進出し、AWAでバーン・ガニアやクラッシャー・リソワスキーらと対戦。1969年から1971年にはWWWFに出場し、キラー・コワルスキー、ブルーノ・サンマルチノなど、数々の強豪レスラーと激闘を繰り広げました。

1970年代前半はNWFを主戦場とし、1971年にはNWF世界タッグ王座を、1973年にはNWF北米ヘビー級王座を獲得しました。NWFではエリック・ジ・アニマルと名乗り、動物の骨を振りかざす野獣派として活躍。1974年には新日本プロレスに参戦し、アントニオ猪木と対戦しました。

1975年にはIWAに出場し、ミル・マスカラスのIWA世界ヘビー級王座に挑戦。ジョージ "クライベイビー" キャノンをマネージャーに迎え、ブルドッグ・ブラワーらと共闘しました。

IWAの活動停止後はプエルトリコのWWCに参戦し、WWC北米ヘビー級王座とWWCプエルトリコ・ヘビー級王座を獲得しました。

晩年と死

1977年からはNWAのトライステート地区で活動し、ビル・ワットらと対戦。1978年にはフロリダ地区に参戦し、NWAフロリダ・タッグ王座を獲得しましたが、その戴冠中の11月16日に自動車事故で亡くなりました。

逸話

プロレス界に入るきっかけは、カール・ゴッチとの賞金マッチだったとされています。フランク・バロアによると、ゴッチはエリックのパワーと巨体に苦戦し、引き分けに終わったとのことです。

得意技

ボーンショット（動物の骨での殴打）
エルボー・バット
ハンマー・パンチ

獲得タイトル

NWF北米ヘビー級王座：1回
NWF世界タッグ王座：2回
WWC北米ヘビー級王座：1回
WWCプエルトリコ・ヘビー級王座：1回
NWAフロリダ・タッグ王座：1回

エリック・ザ・レッドは、その強烈なキャラクターとファイトスタイルで、プロレス史に名を残す伝説的なレスラーです。

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