ボビー・ダンカン

ボビー・ダンカン：カウボーイギミックのラフファイター

ボビー・ダンカン（"Big Bad" Bobby Duncum、本名：Robert Eldon Duncum、1944年8月14日 - ）は、アメリカ合衆国テキサス州オースティン出身の元プロレスラーです。カウボーイ・ギミックの大型ラフファイターとして、NWA、AWA、WWFなどの主要団体で活躍しました。息子のボビー・ダンカン・ジュニアも元プロレスラーとして知られています。

アメリカンフットボールからプロレスへ

ウエスト・テキサス州立大学時代はアメリカンフットボールの選手として活躍し、1967年のNFL/AFLドラフトでセントルイス・カージナルスに指名されました。1968年に1シーズン所属した後、1969年より本格的にプロレスラーに転向。テキサス、ジョージア、フロリダなどNWAの南部テリトリーを拠点にキャリアを積みました。

ラフファイターとしての活躍

フロリダでは1971年にブラスナックル王座を獲得。テキサス西部のアマリロ地区でも、リッキー・ロメロやパク・ソンとブラスナックル王座を巡り激しい戦いを繰り広げました。1972年には、ドリー・ファンク・ジュニアのNWA世界ヘビー級王座に挑戦。同年には、ディック・マードックとのタッグでウエスタン・ステーツ・タッグ王座も獲得しています。1973年にはジョージア地区でビル・ワットとのカウボーイ・コンビで活躍しました。

WWF、AWAでの活躍

1974年からはグラン・ウィザードをマネージャーにWWWFに参戦。ブルーノ・サンマルチノのWWWFヘビー級王座に連続挑戦するなど、トップ戦線で活躍しました。1976年からはAWAに参戦し、ボビー・ヒーナンをマネージャーにブラックジャック・ランザとカウボーイ・タッグを結成。AWA世界タッグ王座を獲得し、ニック・ボックウィンクルの用心棒的なヒールとして存在感を示しました。

フロリダでの活躍と変身

1978年にはフロリダ地区で覆面レスラー、ザ・スポイラー2号に変身。ドン・ジャーディンとのタッグでフロリダ・タッグ王座を獲得しました。素顔に戻ると、フロリダTV王座も獲得。キラー・カール・コックスとのタッグでもフロリダ・タッグ王座に返り咲いています。フロリダではゲーリー・ハートをマネージャーに、ダスティ・ローデスやペドロ・モラレスとも抗争を展開しました。

新日本プロレスへの参戦

1979年にはキャプテン・ルー・アルバーノをマネージャーに再びニューヨークに登場。WWFヘビー級王座決定戦でボブ・バックランドと対戦しました。その後、アンドレ・ザ・ジャイアントとも対戦。1980年にはアントニオ猪木のNWFヘビー級王座にも挑戦しています。

同時期にはNWAミッドアトランティック地区にも出場し、ブラックジャック・マリガンと抗争。同地区認定のブラスナックル王座を争いました。1981年には地元テキサスでベビーフェイスに転向し、タンク・パットンらと対戦しています。

1980年代からは新日本プロレスの常連外国人となり、アントニオ猪木とのシングルマッチやMSGシリーズへの出場など、日本のファンにも強烈な印象を残しました。古舘伊知郎アナウンサーは、ダンカンを「アーバン・カウボーイ」と表現しています。

エピソード

ブルーノ・サンマルチノは、ダンカンを「過小評価されているレスラー」として高く評価していました。また、酒豪としても知られましたが、その生活態度をニック・ボックウィンクルは好ましくないと指摘していました。

スタン・ハンセンのビジュアル・イメージは、ダンカンの影響下にあったとされています。息子のボビー・ダンカン・ジュニアも、全日本プロレスでハンセンのタッグパートナーを務めました。

得意技

ブルドッギング・ヘッドロック
オクラホマ・スタンピード
ショルダー・ブロック
ニー・ドロップ
エルボー・ドロップ
エルボー・バット
* シュミット式バックブリーカー

ボビー・ダンカンの豪快なファイトスタイルは、多くのファンを魅了し、プロレス史にその名を刻んでいます。

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