キラー・トーア・カマタ

キラー・トーア・カマタ：悪役レスラーの生涯

"Killer" Tor Kamataことマクロナルド・ケリー・カマカは、1937年3月9日にハワイで生まれ、2007年7月23日に70歳で亡くなったアメリカのプロレスラーです。その風貌とファイトスタイルから「流血大王」の異名を取りました。

プロレスラーとしての足跡

ハワイでレスリングを始めたカマタは、ナイトクラブの用心棒を経てプロレス入り。初期はカーティス・イヤウケアやニック・ボックウィンクルの指導を受けました。1965年にトーア・カマタと改名し、トージョー・ヤマモトとのタッグでNWA南部タッグ王座を獲得。その後も各地を転戦し、ジャック・ブリスコやダニー・ホッジと抗争しました。

AWAではドクター・モトとしてミツ荒川とタッグを組み、WWA世界タッグ王座とAWA世界タッグ王座を奪取。1年間にわたり二冠王として君臨しました。その後、トーア・カマタに戻り、日系ヒールとして活躍。1971年には坂口征二ともタッグを組みました。カナダでは北米ヘビー級王座を再三獲得し、ドリー・ファンク・ジュニアのNWA世界ヘビー級王座にも挑戦。アブドーラ・ザ・ブッチャーとの流血戦も繰り広げました。

1976年からはWWWFに進出。ブルーノ・サンマルチノのWWWFヘビー級王座には挑戦できませんでしたが、チーフ・ジェイ・ストロンボー&ビリー・ホワイト・ウルフのWWWF世界タッグ王座に度々挑戦しました。地元ハワイではNWA北米ヘビー級王座やNWAハワイ・ヘビー級王座を獲得しました。

1980年にはWWFヘビー級王座に挑戦。リッキー・スティムボート&ジェイ・ヤングブラッドのMSGデビュー戦の相手も務めました。その後、ジョージア地区を経て、ニュージーランドではキング・カマタとしてタッグ王座を獲得しました。

1987年に引退。

日本での活躍

1975年に国際プロレスに初来日。ラッシャー木村のIWA世界ヘビー級王座に再三挑戦し、金網デスマッチも行いました。IWA世界タッグ王座にも挑戦しています。

1978年、全日本プロレスに初登場。ジャイアント馬場を破りPWFヘビー級王座を獲得するも、ビル・ロビンソンに敗れて王座転落。その後も馬場への王座奪回はなりませんでした。

世界最強タッグ決定リーグ戦には大木金太郎やアブドーラ・ザ・ブッチャーと組んで出場。ディック・マードックとの抗争や、馬場&ジャンボ鶴田のインターナショナル・タッグ王座への挑戦、鶴田のUNヘビー級王座への挑戦など、数々の激戦を繰り広げました。

1975年から1987年まで16回来日。

エピソード

トーア・カマタというリングネームは、日系人に見せるためのギミックでした。国際プロレス参戦時には、アナウンサーの杉浦滋男を実況席から引きずり下ろしたこともあります。

1989年には『仮面ノリダー』に「トーア・カマタ男」が登場し、話題となりました。プロレスファン以外にも知名度を高めましたが、本人の体調面から招聘は実現しませんでした。

ブッチャーとの試合を最も激しい試合として挙げており、強面とは裏腹に、普段は物静かでビーズ細工やレース編みが趣味だったそうです。

得意技

地獄突き（指突き）
ダイビング・ボディプレス（フライング・ソーセージ）
トー・キック
ドロップキック

獲得タイトル

数々のタイトルを獲得。

PWFヘビー級王座
AWA世界タッグ王座
* WWA世界タッグ王座（インディアナポリス版）

など多数。

キラー・トーア・カマタは、その強烈なキャラクターと激しいファイトスタイルで、プロレス史に名を刻んだ悪役レスラーでした。

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