コスモヴューファーム

有限会社コスモヴューファーム：北海道を代表する競走馬生産牧場

北海道新冠郡新冠町に位置する有限会社コスモヴューファームは、サラブレッドの生産から育成、調教までを一貫して行う総合牧場です。1996年、ビッグレッドグループ総帥の岡田繁幸氏によって設立され、1999年に現在の社名に変更されました。2011年には、一口馬主法人「ウインレーシングクラブ」の経営権を譲渡され、傘下に加えています。

コスモヴューファームは、若年層の雇用促進に積極的に取り組み、人材育成にも力を入れている点が特徴です。その功績が認められ、2016年には生産牧場として初めて厚生労働省より「ユースエール企業」の認定を受けました。これは、雇用環境の整備や人材育成における優れた取り組みが評価された証です。

広大な敷地と充実した設備

コスモヴューファームは、本場に加え5つの分場から構成され、総面積は230ヘクタールにも及びます。315頭もの競走馬を収容できる馬房を備え、生産から調教、休養まで、馬の育成に最適な環境を提供しています。

新冠町にある本場は、育成と調教の中核を担っています。夏涼しく冬は降雪が少ない気候は、サラブレッドの育成に非常に適しています。7棟の厩舎には100の馬房が設けられ、坂路1000m、電動開閉式ゲート、ウォーキングマシーン3基といった充実した設備が整っています。さらに、隣接するセフィーロ分場の屋外トラック1100m、屋内トラック600mも併用することで、多様な調教メニューに対応できます。

分場では、繁殖牝馬の管理や、本場への移動前の若駒の育成が行われます。特に、当歳馬に対しては早い時期から夜間放牧を実施するなど、馬の健康と成長に配慮した管理体制が敷かれています。

ビッグレッドファームと同様の育成システム

分場の広大な放牧地で育成された若駒たちは、1歳秋になると本場へと集められ、デビューに向けた本格的な調教が始まります。ビッグレッドファームと同様にハードトレーニングを導入し、「丈夫な馬作り」というグループ全体の理念に基づいた育成プログラムが実施されています。

輝かしい戦績

コスモヴューファームからは、数々の重賞競走優勝馬が輩出されています。代表的な例としては、マイネソーサリス（愛知杯）、ドリームシグナル（シンザン記念）、ウインブライト（スプリングステークス、福島記念、中山記念、中山金杯、クイーンエリザベス2世カップ、香港カップなど多数）、ウインガニオン（中京記念）、ウインムート（兵庫ゴールドトロフィー、さきたま杯）、ウインマリリン（フローラステークス、日経賞、オールカマー、香港ヴァーズ）、ウインキートス（目黒記念）、ウインマーベル（葵ステークス、阪神カップ、阪急杯、京王杯スプリングカップ）、ウインマイティー（マーメイドステークス）、ウインカーネリアン（関屋記念、東京新聞杯）、ウイングレイテスト（スワンステークス）などが挙げられます。これらの実績は、コスモヴューファームの高度な育成技術と、馬の能力を最大限に引き出すノウハウの高さを示しています。

繁殖牝馬と繋養馬

コスモヴューファームでは、多くの優秀な繁殖牝馬も繋養されています。イクスキューズ、サマーエタニティ（ウインブライトの母）、コスモネモシン、ウインプリメーラ、ピエナビーナス、ウインキートス、ウインマイティー、ウインマリリンなどがその代表です。過去には、コスモプラチナ、コスモヴァレンチ、コスモフォーチュン、サクセスストレイン、コスモチェーロなども繋養されていましたが、これらの馬については、転売あるいは死亡により、その後の消息が不明となっています。

未来への展望

コスモヴューファームは、今後も北海道を代表する競走馬生産牧場として、質の高いサラブレッドの育成と、競走界への貢献を続けていくことでしょう。その取り組みは、日本の競馬界全体の活性化にも大きく寄与するものです。

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