テンプル駅

ロンドン地下鉄テンプル駅：歴史と周辺情報

ロンドン中心部のシティ・オブ・ウェストミンスターに位置するテンプル駅は、ロンドン地下鉄サークル線とディストリクト線が乗り入れる地下駅です。ヴィクトリア・エンバンクメント沿いにあり、トラベルカード・ゾーン1に属しています。2面2線のシンプルな構造で、サークル線とディストリクト線は同じホームを使用しています。

駅名の由来と歴史

駅名は、12世紀にテンプル騎士団が創設したテンプル地区（The Temple）の近接性に由来します。当初は「ザ・テンプル駅」という名称でしたが、後に冠詞が省略された現在の名称になりました。

テンプル駅が開業したのは1870年。メトロポリタン・ディストリクト鉄道（MDR、現在のディストリクト線とサークル線）のウェストミンスター駅からブラックフライアーズ駅への路線延伸に伴うものでした。建設はヴィクトリア・エンバンクメントの開発と並行して行われ、開削工法によって実現しました。

開業当初から、MDRとメトロポリタン鉄道（MR、後のメトロポリタン線）との相互直通運転による「インナー・サークル」系統が運行され、テンプル駅もその経路に含まれていました。その後、「アウター・サークル」や「ミドル・サークル」系統も運行されましたが、これらは20世紀初頭までに運行区間が短縮され、テンプル駅を経由しなくなりました。

20世紀初頭には、グレート・ノーザン・アンド・ストランド鉄道による路線延伸計画がありましたが、テンプル駅への延伸は実現せず、アルドウイッチ駅（1994年廃止）が終点となりました。1949年には、インナー・サークル系統が「サークル線」として独立した路線となりました。

周辺の名所

テンプル駅周辺には多くの歴史的建造物や文化施設があります。

テンプル (The Temple): テンプル騎士団ゆかりの歴史的地区。
ミドル・テンプル、インナー・テンプル: 法律事務所などが集まる地区。
HMS President、HQS Wellington: 歴史的艦船。
キングス・カレッジ・ロンドン、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス: 名門大学。
St Clement Danes、St Mary-le-Strand: 歴史的な教会。
サマセット・ハウス: 歴史的建造物、現在では美術館やギャラリーなどが入居。
ウォータールー橋: テムズ川にかかる有名な橋。

その他

「テンプル駅」という駅名は、パリ・メトロとロンドン地下鉄で共通している唯一の駅名です。
ダン・ブラウンの小説『ダ・ヴィンチ・コード』にも登場します。
夜行バスN550、N551系統が停車します。

隣の駅

サークル線: エンバンクメント駅、ブラックフライアーズ駅
ディストリクト線: エンバンクメント駅、ブラックフライアーズ駅

テンプル駅は、ロンドンの中心部に位置し、歴史的建造物や文化施設に囲まれた便利な駅です。ロンドン観光の際には、ぜひ利用してみてください。

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