ディノ・ブラボー

ディノ・ブラボー:怪力で魅せたプロレスラーの生涯



ディノ・ブラボー(本名:Adolfo Bresciano)は、1948年8月6日イタリアで生まれ、カナダを拠点に活躍したプロレスラーです。その強靭な肉体とパワーを活かしたファイトスタイルで、多くのファンを魅了しました。

初期のキャリア



幼少期にカナダモントリオールに移住したブラボーは、学生時代からレスリングとボディビルで体を鍛え、1970年にプロレスデビュー。当初は正統派のパワーファイターとして、モントリオールを中心にキャリアを積みました。1972年には、グランプリ・レスリングでジノ・ブリットとタッグを組み、GPWタッグ王座を獲得。アメリカ本土にも進出し、NWAハリウッド・レスリングではエドワード・カーペンティアやビクター・リベラとタッグを組み、ジェリー・ブラウン&バディ・ロバーツのハリウッド・ブロンズと抗争を繰り広げました。

ミッドアトランティック地区での活躍



1976年からは、NWAミッドアトランティック地区に参戦。ミスター・レスリングことティム・ウッズとのタッグでNWA世界タッグ王座を獲得し、ミッドアトランティック・タッグ王座も獲得しました。シングルマッチでは、ハーリー・レイスのNWA世界ヘビー級王座に挑戦。ブラックジャック・マリガンやマスクド・スーパースターといった大型ヒールとも激しい抗争を展開しました。

WWWF/WWFでの活躍



並行してニューヨークのWWWFにも進出したブラボーは、同じイタリア出身のドミニク・デヌーチとタッグを組み、WWWF世界タッグ王座を獲得。1978年には、NWAカナディアン・ヘビー級王座の初代チャンピオンに輝き、カナダの伝説的レスラー、ホイッパー・ビリー・ワトソンからベルトを授与されました。

新日本プロレスへの参戦



1981年10月には、新日本プロレスの『闘魂シリーズ』に初来日。長州力と組んでスタン・ハンセン&ハルク・ホーガン組と対戦し、最終戦ではアブドーラ・ザ・ブッチャーとのシングルマッチで、その怪力を発揮しました。ホーガンやブッチャーを軽々と持ち上げてアトミック・ドロップを放つなど、観客を大いに沸かせました。しかし、再来日となる1982年の『第3回MSGタッグ・リーグ戦』ではヒールのアドリアン・アドニスと組んだため、本領を発揮できませんでした。

モントリオール地区での活動とWWFへの復帰



本国ではモントリオール地区のインターナショナル・レスリングを主戦場に、プロモーター兼任のエース選手として活動。カナディアン・インターナショナル・ヘビー級王座を複数回獲得しました。1985年にはWWFカナディアン・チャンピオンに認定されました。1987年には、WWFと再契約し、ヒールへと転身。髪をブロンドに染め、フレンチ・カナディアンとしてのアイデンティティを強調し、グレッグ・バレンタインのパートナーとして活躍しました。

カナディアン・ストロンゲスト・マン



1988年には、カナディアン・ストロンゲスト・マンを名乗り、アメリカ対カナダの抗争を展開。1989年からは、ジミー・ハートをマネージャーに迎え、アースクエイクとのカナディアン・コンビでハルク・ホーガンらと激しい抗争を繰り広げました。

引退と悲劇的な最期



1992年にWWFを離れて引退し、若手レスラーの指導に携わっていましたが、1993年3月11日に、違法タバコの密輸に絡むトラブルにより、モントリオールで犯罪組織に射殺されました。44歳という若さでの悲劇的な死でした。

得意技



エアプレーン・スピン
アトミック・ドロップ
ドロップキック
サイドウォーク・スラム(サイドバスター)

獲得タイトル



グランプリ・レスリング
GPWタッグ王座:1回(w / ジノ・ブリット)
インターナショナル・レスリング
カナディアン・インターナショナル・ヘビー級王座:6回
カナディアン・インターナショナル・タッグ王座:1回(w / トニー・パリシ)
NWAハリウッド・レスリング
NWAアメリカス・タッグ王座:1回(w / ビクター・リベラ)
ミッドアトランティック・チャンピオンシップ・レスリング
NWAミッドアトランティック・タッグ王座:3回(w / ミスター・レスリング、タイガー・コンウェイ・ジュニア、リッキー・スティムボート)
NWA世界タッグ王座(ミッドアトランティック版):1回(w / ミスター・レスリング
メープル・リーフ・レスリング
NWAカナディアン・ヘビー級王座(トロント版):2回
WWWF / WWF
WWWF世界タッグ王座:1回(w / ドミニク・デヌーチ)
* WWFカナディアン王座:1回



ディノ・ブラボーは、その怪力と個性的なキャラクターで、プロレス界に大きな足跡を残しました。彼の功績は、今もなお多くのファンに語り継がれています。

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