ビクター・リベラ

ビクター・リベラ：プエルトリコの英雄、その輝かしい軌跡

ビクター・リベラ（Victor Rivera、1944年5月25日 - ）は、プエルトリコが生んだ伝説的なプロレスラーです。彼のキャリアは、アフリカ系ラテンアメリカ人としての誇りを胸に、ベビーフェイスとしてWWWF（現WWE）やNWAロサンゼルス地区といった主要なプロレス団体を舞台に輝きました。一部情報では1943年生まれともされています。

ニューヨークでの出発、そして世界へ

1954年、リベラは家族と共にニューヨークへと移住。同じプエルトリコ出身の英雄、ペドロ・モラレスに憧れを抱き、1964年にWWWF圏でプロレスラーとしての第一歩を踏み出しました。その後、テキサス、ジョージア、カンザスといった各地を転戦し、その名を高めていきます。

1967年にはロサンゼルスのWWAに参戦し、憧れのモラレスと夢のプエルトリカン・コンビを結成。同年7月29日には、強豪カール・ゴッチ&マイク・デビアスを破り、WWA世界タッグ王座を獲得。その実力を世界に示しました。同年11月には、日本プロレスに初来日を果たし、日本のファンにもその勇姿を焼き付けました。

WWWFでの栄光、そしてNWAロサンゼルス地区での活躍

1969年、リベラはニューヨークに凱旋。12月9日には、トニー・マリノとのタッグでトール・タナカ&ミツ・アラカワを破り、WWWFインターナショナル・タッグ王座を獲得しました。WWWFでは、キラー・コワルスキー、ワルドー・フォン・エリック、ジョージ・スティール、エリック・ザ・レッド、イワン・コロフ、ザ・モンゴルズ（ジート・モンゴル&ベポ・モンゴル）といった強豪ヒール勢と激闘を繰り広げ、観客を熱狂させました。

1970年6月にモンゴルズに敗れてタイトルを失った後は、WWAの後継プロモーションであるNWAロサンゼルス地区に拠点を移します。1972年12月1日には、アーニー・ラッドから同地区のフラッグシップ・タイトルであるアメリカス・ヘビー級王座を奪取。以降1980年代初頭にかけて、ブラック・ゴールドマン、テリー・ファンク、ジョン・トロスらを相手に防衛戦を繰り広げ、同王座を通算6回獲得する偉業を達成しました。

新日本プロレス参戦、そしてヒールへの転向

古巣WWWFにも並行して参戦し、1975年5月13日にはドミニク・デヌーチとのコンビでバリアント・ブラザーズ（ジミー・バリアント&ジョニー・バリアント）からWWWF世界タッグ王座を奪取。ボビー・ダンカン&ブッチャー・バションやザ・ブラックジャックス（ブラックジャック・マリガン&ブラックジャック・ランザ）といった強豪チームを相手に防衛戦を行いましたが、同年夏にWWWFを離脱し、新団体のIWAに移籍しました。

1973年9月には新日本プロレスに初参戦し、アントニオ猪木ともシングルマッチで対戦。以降、新日本の常連外国人となり、1976年4月開幕の第3回ワールドリーグ戦では坂口征二、キラー・カール・クラップと同点のリーグ戦2位という好成績を収めました。最終戦の5月13日には、盟友ペドロ・モラレスと組み、坂口征二&ストロング小林の北米タッグ王座にも挑戦しています。1979年4月の第2回MSGシリーズにも出場しましたが、予選トーナメントで敗退し、決勝リーグ進出はなりませんでした。

1976年下期にWWWFへ復帰してからは、フレッド・ブラッシーをマネージャーに迎えてヒールに転向。1978年10月14日にはフィラデルフィアにてボブ・バックランドのWWWFヘビー級王座に挑戦しました。スパイロス・アリオン、バロン・シクルナ、スタン・スタージャックらと共闘し、トニー・ガレア&ラリー・ズビスコが保持していたWWWF世界タッグ王座にも再三挑戦しました。ベビーフェイスとして長年活躍したロサンゼルスでも、アレン・コージやジ・エンフォーサー、オックス・ベーカーなどのヒールと共闘し、観客のブーイングを浴びるなど、新境地を開拓しました。

全日本プロレス参戦、そして引退へ

1981年7月には全日本プロレスに来日し、ルーファス・ジョーンズと組んで佐藤昭雄&石川隆士のアジアタッグ王座に挑戦。1982年10月にも全日本に参戦し、これが最後の来日となりました（日本には通算8回来日）。

1984年からは、ビンス・マクマホン・ジュニアの新体制下で全米サーキットを開始したWWFのロサンゼルス地区における興行に単発出場。1987年にはACCWなる団体を主宰し、自らも同団体のヘビー級王者として活動しましたが、1989年の団体崩壊に伴い、プロレス業界から引退しました。

得意技と獲得タイトル

リベラの得意技は、その強靭な肉体から繰り出されるカリビアン・キャノンボール、ドロップキック、ヘッドバットなどです。

獲得タイトルは以下の通りです。

ワールドワイド・レスリング・アソシエーツ
WWA世界タッグ王座：2回（w / ペドロ・モラレス）
NWAハリウッド・レスリング
NWAアメリカス・ヘビー級王座：6回
NWAアメリカス・タッグ王座：11回（w / ラウル・レイエス、ラウル・マタ、ポークチョップ・キャッシュ、ディノ・ブラボー、テリー・ソイヤー、シエン・カラス、チャボ・ゲレロ、テキサス・レッド、アレン・コージ×2、サルバトーレ・ベロモ）
NWA世界タッグ王座（ロサンゼルス版）：1回（w / エンフォーサー・ルシアーノ）
ワールド・ワイド・レスリング・フェデレーション
WWWFインターナショナル・タッグ王座：1回（w / トニー・マリノ）
WWWF世界タッグ王座：1回（w / ドミニク・デヌーチ）
その他
CPWヘビー級王座：1回
ACCWヘビー級王座：3回

ビクター・リベラの功績は、プロレス界に永遠に語り継がれることでしょう。

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