トヨタ・デュエット

トヨタ・デュエット (1998-2004)

トヨタ・デュエットは、1998年9月から2004年6月にかけてトヨタ自動車が販売していた小型ハッチバック車です。ダイハツ工業が製造するストーリアのOEM供給車として、トヨタカローラ店で販売されていました。車名の「デュエット」は、英語で「二重奏」を意味し、その響きの良さとイメージがスタイルにマッチしていることから名付けられました。

概要

ボディタイプは5ドアのみで、当時多くの小型車から廃止されつつあったマニュアルトランスミッションと灰皿が設定されていたのが特徴です。販売の中心は1.0Lモデルでしたが、マイナーチェンジによって1.3Lモデルも追加されました。姉妹車であるストーリアには競技用ベースモデル「X4」が存在しましたが、デュエットには設定されませんでした。1.3Lモデルには、高回転型エンジンであるK3-VE2型が搭載され、ホットハッチと呼べるほどの動力性能を発揮しました。ただし、このエンジンは事実上ハイオクガソリンに最適化されており、レギュラーガソリンでは本来の性能を発揮できませんでした。

年表

1998年9月24日：販売開始。エンジンはダイハツ製のEJ-DE型989cc直列3気筒DOHC12バルブエンジンのみ。トランスミッションは4速ATまたは5速MT。
当時のトヨタ車としては珍しく、デジタルクロックが装備されていませんでした。ただし、カーオーディオはトヨタ純正品が採用されていました。
1999年4月16日：「V」をベースにした特別仕様車「Vリミテッド」を発売。電動格納式リモコンカラードドアミラーやUVカットガラスなどを装備。
同時に、「X」にラグジュアリーパッケージ、「V」にスポーツパッケージとビジネス仕様車を追加。SRSサイドエアバッグとホワイトパールⅠがオプション設定されました。
1999年10月7日：「V」をベースにした特別仕様車「Vリミテッド」を発売。CD・カセット一体AM/FMマルチ電子チューナー付ラジオやワイヤレスドアロックリモートコントロールなどを装備。
この特別仕様車には、ベースとなったVグレードに設定されていた「スポーツパッケージ」も設定されました。
2000年5月9日：初のマイナーチェンジ（1次改良）。
エクステリアでは前後バンパーが変更され、リアは反射板が追加されました。テールランプの配置も変更されています。また、全グレードでフロントサスペンションが見直され、ハンドリング性能が向上しました。
スピードメーター内のオドメーターとトリップメーターが機械式からデジタル液晶に変更され、デジタルクロックが装備されました。
K3-VE2型1,297cc直列4気筒DOHC16バルブエンジンを搭載した1.3V、およびそれをベースにエアロパーツ、マフラーカッターなどを追加した1.3V S Packageを追加設定。
1.0X、1.0Vでは989ccのEJ-DE型エンジンが、VVT-i搭載のEJ-VE型に変更され、動力性能が向上しました。
2000年12月25日：「V」をベースにした特別仕様車「V クラシック」を発売。専用色のブリティッシュグリーンマイカの設定やキーフリーシステムなどを装備。
2001年12月20日：2度目のマイナーチェンジ（2次改良）。
エクステリアが大幅に変更され、いわゆる「トヨタ顔」へのフェイスリフトが行われました。評価は賛否両論でした。
レギュラーガソリン仕様のK3-VE型エンジン搭載車が設定されました。デュエットでは、1.3Xだけでなく、安価な1.3Vにも設定されました。
廉価グレードを除くモデルに、キー操作なしでドアの施錠・解錠及びエンジン始動が可能な「キーフリーシステム」を標準装備。
2002年6月3日：1.0Vをベースにした「1.0V Classic･ナビスペシャル」を発売。GPSボイスナビゲーションシステムやレザー調シートなどを装備。
ナビゲーション非装着の「1.0V Classic」も設定。
2003年4月10日：特別仕様車「1.0Vリミテッド」「1.0Vクラシック」を発売。
2004年5月：オーダーストップに伴い生産終了。
2004年6月：後継車であるパッソ（ダイハツ・ブーン）の発売に伴い、販売を終了。販売期間中の新車登録台数の累計は12万5,607台でした。

車名の由来

「DUET（デュエット）」という音の響きの良さと、英語の「Duet（二重奏）」という意味の美しさがスタイルにマッチングしていることから名づけられました。

関連項目

トヨタ自動車
ダイハツ・ストーリア - 姉妹車
トヨタ・パッソ - 後継車
* ダイハツ・ブーン

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