ペッツ・ワトレー

ペッツ・ワトレー：レスリング界のレジェンド

ペッツ・ワトレー (1951年1月10日 - 2005年1月18日) は、アメリカ合衆国テネシー州チャタヌーガ出身の伝説的プロレスラーです。日本では「ペッツ・ワトリー」表記も用いられますが、ここでは日本での一般的な表記を用います。

彼は高校時代からレスリングに秀で、チャタヌーガ初の黒人チャンピオンに輝きました。テネシー大学チャタヌーガ校卒業後の1975年、ソウル・ワインゲロフの指導の下、メンフィスのNWAミッドアメリカ地区（後のCWA）でプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせました。

キャリア初期は、レイ・キャンディとの大型ベビーフェイス・タッグチームで活躍し、悪名高いマネージャー、パーシー・プリングル3世率いるサモアンズとのタッグ王座を争いました。

1977年、新日本プロレスの『闘魂シリーズ』に初来日。ストロング小林、長州力、星野勘太郎、永源遙、木戸修など、日本のトップレスラーたちと対戦しました。結果は苦戦を強いられましたが、木村健吾から1勝を挙げました。

その後もテネシーを拠点に活躍。ラニー・ポッフォをパートナーにミッドアメリカ・タッグ王座を獲得するなど、同地区の英雄、ジェリー・ローラーともタッグを組み、デビッド・シュルツ、デニス・コンドリー、ダッチ・マンテル、バズ・タイラー、フィル・ヒッカーソンらとの激しい抗争を繰り広げました。

1980年代初頭には、ケンタッキー州の独立団体ICWで活躍し、後のNWA世界ヘビー級王者となるロニー・ガービンと激闘を繰り広げました。ICW崩壊後はメンフィスに戻り、スキップ・ヤングとのタッグで、ココ・ウェア&ノーベル・オースチン組と抗争しました。

1984年からはNWAフロリダ地区に参戦し、南部ヘビー級王座を2度獲得。しかし、リック・ルードにタイトルを奪われると、NWAミッドアトランティック地区のジム・クロケット・プロモーションズに移籍しました。

ジミー・バリアントとのタッグで人気を博しましたが、バリアントのコメントを誤解し、1986年にヒールに転向。シャスカ・ワトレーと改名し、ポール・ジョーンズ・アーミーに加入しました。

1987年にはタイガー・コンウェイ・ジュニアとタッグチーム「ジャイブ・トーンズ」を結成。ブラッド・アームストロング&ティム・ホーナーのライトニング・エクスプレス、ファビュラス・フリーバーズ、ロード・ウォリアーズといった強豪タッグチームと対戦しました。

1989年には、全日本プロレスの『サマー・アクション・シリーズII』にコンウェイ・ジュニアと来日。陽気なパフォーマンスで観客を沸かせました。

ジャイブ・トーンズ解散後はWWF、USWAなどで活躍し、1992年にはUWFインターナショナルにも参戦。その後WCWでキャリアを続け、1995年に引退しました。

引退後はWCWパワープラントでトレーナーとして後進の育成に貢献しました。2003年に心臓発作で倒れ、心臓移植を待つ間、2005年1月18日に54歳で亡くなりました。2021年、WWE殿堂のレガシー部門に迎えられました。

彼の得意技はザ・フライング・ウィリー、ドロップキック、エルボー・ドロップなどです。数々のタイトルを獲得し、レスリング界に大きな足跡を残したペッツ・ワトレーは、真のレスリングレジェンドと言えるでしょう。

もう一度検索