レイ・キャンディ
レイ・キャンディ（Ray Candy、本名：Ray Canty、1951年12月3日 - 1994年5月23日）は、アメリカ合衆国ジョージア州ディケーター出身のプロレスラーです。大柄な体格のアフリカ系アメリカ人レスラーとして、主にアメリカ南部を舞台に活躍しました。昭和の時代には、日本国内の様々なプロレス団体にも参戦し、アブドーラ・ザ・ブッチャーとのタッグでインターナショナル・タッグ王座を獲得するなど、輝かしい実績を残しています。
1973年、地元のジョージア地区（アン・ガンケルが主宰するオール・サウス・レスリング・アライアンス）でプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせました。当初は大型のベビーフェイスとして売り出され、1975年7月30日にはテキサス西部のアマリロ地区でボビー・ジャガーズからNWAウエスタン・ステーツ・ヘビー級王座を奪取。さらに、同年8月20日にはドリー・ファンク・ジュニアとのコンビで同タッグ王座にも輝いています。
その後もアメリカ南部を転戦し、1976年9月28日にはフロリダ州タンパでテリー・ファンクのNWA世界ヘビー級王座に挑戦しました。テネシーでは1977年にピストル・ペッツ・ワトレーとの黒人タッグチームで人気を博し、巨漢のキャンディと小柄なワトレーという対照的なコンビで観客を魅了しました。1978年にはルイジアナでアーニー・ラッド、ジョージアでアブドーラ・ザ・ブッチャーといった大物ヒールレスラーと対戦し、その名を広めました。ジョージアでは、1979年8月3日にブラックジャック・ランザ、11月30日にキラー・カール・コックスを破り、TV王座を2度獲得しています。
ジョージアでの試合を通じてブッチャーに才能を認められ、1979年10月にはブッチャーのパートナーとして全日本プロレスに初来日を果たしました。同年10月12日には旭川で、ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田の師弟コンビからインターナショナル・タッグ王座を奪取するという快挙を成し遂げました。しかし、その1週間後には郡山で馬場と鶴田に王座を奪い返されています。それまでブッチャーが連れてきた黒人選手（ビッグ・レッド、ビッグ・バッド・オーなど）が期待外れに終わることが多かっただけに、キャンディの活躍は大きな注目を集めました。
1980年3月には、ブッチャー軍団の副将としてチャンピオン・カーニバルの第8回大会に再び来日。テリー・ファンク、ディック・スレーター、テッド・デビアスのファンク・ファミリーとの間で激しい抗争を繰り広げました。同年8月の来日ではオースチン・アイドルのパートナーを務め、PWF杯争奪タッグトーナメントに出場。1回戦でプリンス・トンガ&大仁田厚組を破りましたが、準決勝でザ・デストロイヤー&ザ・クルーザー組に敗退しました。
翌1981年2月には国際プロレスに参戦し、3月24日の宮城県泉市大会ではラッシャー木村のIWA世界ヘビー級王座に挑戦しました。この試合は、東京12チャンネル『国際プロレスアワー』のレギュラー放送における最後の試合中継となりました。シリーズ中は、同年秋に開催予定だった『ルー・テーズ杯争奪戦』の後期予選も行われ、アニマル浜口、ルーク・グラハム、マッハ隼人、レッド・デビルらを下して決勝リーグへの進出を決めましたが、国際プロレスが崩壊したため、出場は幻に終わりました。
帰国後の同年6月29日には、アラバマのサウスイースタン地区でジミー・ゴールデンからNWAアラバマ・ヘビー級王座を奪取。その後、覆面レスラーのマスクド・スーパーフライ（The Masked Superfly）に変身するなど、アメリカでもヒールとしての活動を開始しました。1982年にはセントラル・ステーツ地区でルーファス・ジョーンズ、ブルース・リード、ディック・ザ・ブルーザー、アンドレ・ザ・ジャイアント、ハーリー・レイスらと対戦。テキサス東部のダラス地区では、キングコング・バンディやワイルド・ビル・アーウィンと共闘し、フォン・エリック兄弟と激しい抗争を繰り広げました。
1983年下期からはフロリダ地区でイライジャ・アキームことレロイ・ブラウンとタッグチームを結成。「カリーム・モハメッド（Kareem Muhammad）」と名乗り、迷彩服を着用したイスラム系アフリカ兵ギミックの超巨漢黒人タッグチーム、ザンブイ・エクスプレス（The Zambuie Express）として活動。ダスティ・ローデス&ブラックジャック・マリガンなどのチームと激しい抗争を展開しました。ジェリー・ローラーとジェリー・ジャレットが主宰していたメンフィスのCWAや、サンアントニオのテキサス・オールスター・レスリングにも出場し、各地のタッグ王座を奪取しました。
1984年3月には、ザンビア・エクスプレスのチーム名で新日本プロレスに初登場。ブラウンとのタッグを解消してからも、新日本プロレスの常連外国人選手として活躍しました。1986年10月の来日では、スーパー・マリオマン（Super Marioman）という覆面レスラーに変身しています（当時大ブームだったファミリーコンピュータ用ゲームソフト『スーパーマリオブラザーズ』にあやかった急造マスクマンでしたが、元々は別の人物が変身する予定だったとも伝えられています）。
アメリカではフロリダを主戦場に迷彩服スタイルを続け、「コマンド・レイ（Commando Ray）」と名乗ることもありました。1986年11月25日にはバリー・ウインダムを破り、NWAフロリダ・ヘビー級王座を獲得。1987年にはプエルトリコのWWCに遠征し、ブルーザー・ブロディとも対戦。6月6日にはマイティ・イゴールからプエルトリカン・ヘビー級王座を奪取しました。新日本プロレスには1988年2月にも参戦しましたが、後に体調を崩して引退。これが最後の来日となりました。
1994年5月23日、心臓発作のため42歳の若さで死去しました。晩年はレスラーの指導にも携わり、後にECWで活躍するニュー・ジャックやWWEスーパースターのケインらを育成しました。
ヘッドバット
エルボー・ドロップ
ボディ・プレス
全日本プロレス
インターナショナル・タッグ王座：1回（w / アブドーラ・ザ・ブッチャー）
オール・サウス・レスリング・アライアンス
ASWAジョージア・ヘビー級王座：1回
ASWAジョージア・タッグ王座：1回（w / エル・モンゴル）
NWAウエスタン・ステーツ・スポーツ
NWAウエスタン・ステーツ・ヘビー級王座：1回
NWAウエスタン・ステーツ・タッグ王座：1回（w / ドリー・ファンク・ジュニア）
NWAミッドアメリカ / コンチネンタル・レスリング・アソシエーション
NWAミッドアメリカ・タッグ王座：3回（w / ケン・ルーカス、ペッツ・ワトレー×2）
AWA南部タッグ王座：2回（w / イライジャ・アキーム）
NWAトライステート
NWAアーカンサス・ヘビー級王座：1回
NWA北米ヘビー級王座（トライステート版）：1回
NWA USタッグ王座（トライステート版）：1回（w / スティーブン・リトルベア）
ジョージア・チャンピオンシップ・レスリング
NWAジョージア・TV王座：2回
サウスイースタン・チャンピオンシップ・レスリング
NWAアラバマ・ヘビー級王座：1回
チャンピオンシップ・レスリング・フロム・フロリダ
NWAフロリダ・ヘビー級王座：1回
NWAフロリダ・グローバル・タッグ王座：1回（w / イライジャ・アキーム）
NWA USタッグ王座（フロリダ版）：2回（w / イライジャ・アキーム、ハクソー・ヒギンズ）
テキサス・オールスター・レスリング
TASW 6人タッグ王座：1回（w / イライジャ・アキーム&カマラ）
ワールド・レスリング・カウンシル
WWCプエルトリカン・ヘビー級王座：1回
デビューから全日本プロレス参戦
1973年、地元のジョージア地区（アン・ガンケルが主宰するオール・サウス・レスリング・アライアンス）でプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせました。当初は大型のベビーフェイスとして売り出され、1975年7月30日にはテキサス西部のアマリロ地区でボビー・ジャガーズからNWAウエスタン・ステーツ・ヘビー級王座を奪取。さらに、同年8月20日にはドリー・ファンク・ジュニアとのコンビで同タッグ王座にも輝いています。
その後もアメリカ南部を転戦し、1976年9月28日にはフロリダ州タンパでテリー・ファンクのNWA世界ヘビー級王座に挑戦しました。テネシーでは1977年にピストル・ペッツ・ワトレーとの黒人タッグチームで人気を博し、巨漢のキャンディと小柄なワトレーという対照的なコンビで観客を魅了しました。1978年にはルイジアナでアーニー・ラッド、ジョージアでアブドーラ・ザ・ブッチャーといった大物ヒールレスラーと対戦し、その名を広めました。ジョージアでは、1979年8月3日にブラックジャック・ランザ、11月30日にキラー・カール・コックスを破り、TV王座を2度獲得しています。
ジョージアでの試合を通じてブッチャーに才能を認められ、1979年10月にはブッチャーのパートナーとして全日本プロレスに初来日を果たしました。同年10月12日には旭川で、ジャイアント馬場&ジャンボ鶴田の師弟コンビからインターナショナル・タッグ王座を奪取するという快挙を成し遂げました。しかし、その1週間後には郡山で馬場と鶴田に王座を奪い返されています。それまでブッチャーが連れてきた黒人選手（ビッグ・レッド、ビッグ・バッド・オーなど）が期待外れに終わることが多かっただけに、キャンディの活躍は大きな注目を集めました。
1980年3月には、ブッチャー軍団の副将としてチャンピオン・カーニバルの第8回大会に再び来日。テリー・ファンク、ディック・スレーター、テッド・デビアスのファンク・ファミリーとの間で激しい抗争を繰り広げました。同年8月の来日ではオースチン・アイドルのパートナーを務め、PWF杯争奪タッグトーナメントに出場。1回戦でプリンス・トンガ&大仁田厚組を破りましたが、準決勝でザ・デストロイヤー&ザ・クルーザー組に敗退しました。
国際プロレス参戦とヒールへの転向
翌1981年2月には国際プロレスに参戦し、3月24日の宮城県泉市大会ではラッシャー木村のIWA世界ヘビー級王座に挑戦しました。この試合は、東京12チャンネル『国際プロレスアワー』のレギュラー放送における最後の試合中継となりました。シリーズ中は、同年秋に開催予定だった『ルー・テーズ杯争奪戦』の後期予選も行われ、アニマル浜口、ルーク・グラハム、マッハ隼人、レッド・デビルらを下して決勝リーグへの進出を決めましたが、国際プロレスが崩壊したため、出場は幻に終わりました。
帰国後の同年6月29日には、アラバマのサウスイースタン地区でジミー・ゴールデンからNWAアラバマ・ヘビー級王座を奪取。その後、覆面レスラーのマスクド・スーパーフライ（The Masked Superfly）に変身するなど、アメリカでもヒールとしての活動を開始しました。1982年にはセントラル・ステーツ地区でルーファス・ジョーンズ、ブルース・リード、ディック・ザ・ブルーザー、アンドレ・ザ・ジャイアント、ハーリー・レイスらと対戦。テキサス東部のダラス地区では、キングコング・バンディやワイルド・ビル・アーウィンと共闘し、フォン・エリック兄弟と激しい抗争を繰り広げました。
ザンブイ・エクスプレス結成と晩年
1983年下期からはフロリダ地区でイライジャ・アキームことレロイ・ブラウンとタッグチームを結成。「カリーム・モハメッド（Kareem Muhammad）」と名乗り、迷彩服を着用したイスラム系アフリカ兵ギミックの超巨漢黒人タッグチーム、ザンブイ・エクスプレス（The Zambuie Express）として活動。ダスティ・ローデス&ブラックジャック・マリガンなどのチームと激しい抗争を展開しました。ジェリー・ローラーとジェリー・ジャレットが主宰していたメンフィスのCWAや、サンアントニオのテキサス・オールスター・レスリングにも出場し、各地のタッグ王座を奪取しました。
1984年3月には、ザンビア・エクスプレスのチーム名で新日本プロレスに初登場。ブラウンとのタッグを解消してからも、新日本プロレスの常連外国人選手として活躍しました。1986年10月の来日では、スーパー・マリオマン（Super Marioman）という覆面レスラーに変身しています（当時大ブームだったファミリーコンピュータ用ゲームソフト『スーパーマリオブラザーズ』にあやかった急造マスクマンでしたが、元々は別の人物が変身する予定だったとも伝えられています）。
アメリカではフロリダを主戦場に迷彩服スタイルを続け、「コマンド・レイ（Commando Ray）」と名乗ることもありました。1986年11月25日にはバリー・ウインダムを破り、NWAフロリダ・ヘビー級王座を獲得。1987年にはプエルトリコのWWCに遠征し、ブルーザー・ブロディとも対戦。6月6日にはマイティ・イゴールからプエルトリカン・ヘビー級王座を奪取しました。新日本プロレスには1988年2月にも参戦しましたが、後に体調を崩して引退。これが最後の来日となりました。
1994年5月23日、心臓発作のため42歳の若さで死去しました。晩年はレスラーの指導にも携わり、後にECWで活躍するニュー・ジャックやWWEスーパースターのケインらを育成しました。
得意技
ヘッドバット
エルボー・ドロップ
ボディ・プレス
獲得タイトル
全日本プロレス
インターナショナル・タッグ王座：1回（w / アブドーラ・ザ・ブッチャー）
オール・サウス・レスリング・アライアンス
ASWAジョージア・ヘビー級王座：1回
ASWAジョージア・タッグ王座：1回（w / エル・モンゴル）
NWAウエスタン・ステーツ・スポーツ
NWAウエスタン・ステーツ・ヘビー級王座：1回
NWAウエスタン・ステーツ・タッグ王座：1回（w / ドリー・ファンク・ジュニア）
NWAミッドアメリカ / コンチネンタル・レスリング・アソシエーション
NWAミッドアメリカ・タッグ王座：3回（w / ケン・ルーカス、ペッツ・ワトレー×2）
AWA南部タッグ王座：2回（w / イライジャ・アキーム）
NWAトライステート
NWAアーカンサス・ヘビー級王座：1回
NWA北米ヘビー級王座（トライステート版）：1回
NWA USタッグ王座（トライステート版）：1回（w / スティーブン・リトルベア）
ジョージア・チャンピオンシップ・レスリング
NWAジョージア・TV王座：2回
サウスイースタン・チャンピオンシップ・レスリング
NWAアラバマ・ヘビー級王座：1回
チャンピオンシップ・レスリング・フロム・フロリダ
NWAフロリダ・ヘビー級王座：1回
NWAフロリダ・グローバル・タッグ王座：1回（w / イライジャ・アキーム）
NWA USタッグ王座（フロリダ版）：2回（w / イライジャ・アキーム、ハクソー・ヒギンズ）
テキサス・オールスター・レスリング
TASW 6人タッグ王座：1回（w / イライジャ・アキーム&カマラ）
ワールド・レスリング・カウンシル
WWCプエルトリカン・ヘビー級王座：1回
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