ミネアポリス (重巡洋艦)

ミネアポリス (USS Minneapolis, CA-36)

ミネアポリスは、アメリカ海軍が建造したニューオーリンズ級重巡洋艦の3番艦であり、その艦名はミネソタ州の都市ミネアポリスに由来します。この名前を持つ艦としては2隻目にあたります。

艦歴

ミネアポリスは1931年6月27日にフィラデルフィア海軍造船所で起工し、1933年9月6日にグレース・L・ニュートンによって命名・進水しました。1934年5月19日にはゴードン・W・ヘインズ大佐の指揮下で就役しました。

1934年7月から9月にかけてヨーロッパ水域で整調航海を実施した後、フィラデルフィア海軍工廠で修理と改修を受けました。1935年4月4日に出航し、パナマ運河を経由して4月18日にサンディエゴに到着、偵察部隊の第7巡洋艦分艦隊に配属されました。その後は西海岸沿いで作戦活動に従事し、1939年初めにはカリブ海を巡航、1940年には真珠湾に展開しました。

第二次世界大戦

1941年 - 1942年

1941年12月7日の真珠湾攻撃時には、ミネアポリスは砲術訓練のため真珠湾から約32キロ離れた海域を航行していました。その後、1942年1月まで哨戒任務に従事し、空母レキシントンを基幹とする第11任務部隊に加わりました。

第11任務部隊は当初ウェーク島への攻撃を計画していましたが、給油艦の撃沈により作戦は中止されました。その後、2月1日にはラバウルに向けて出撃し、2月20日のニューギニア沖海戦ではレキシントンを護衛中に日本の一式陸攻の空襲を撃退しました。3月10日には、第17任務部隊と合同でラエとサラモアを攻撃し、日本軍を混乱させました。

ミネアポリスは、5月4日から8日にかけての珊瑚海海戦にも参加し、レキシントンの直衛を務めましたが、レキシントンは被弾し失われました。しかし、この海戦で日本軍の進出を阻止することに成功し、ミネアポリスはレキシントンの生存者を救助しました。その後、ミッドウェー海戦にも参加し、真珠湾で補給と修理を行った後、ソロモン諸島方面へ展開しました。

8月7日からのガダルカナル島の戦いでは、機動部隊を護衛し、ガダルカナル島とツラギ島への上陸作戦を支援しました。8月30日には、空母サラトガが潜水艦の雷撃で損傷したため、ミネアポリスがサラトガを曳航し後方地域へ移動させました。

ルンガ沖夜戦（タサファロング沖海戦）

11月29日、ミネアポリスは第67任務部隊の旗艦として、ガダルカナル島沖に急行し、日本海軍の輸送作戦を阻止しようとしました。11月30日深夜、田中頼三少将率いる第二水雷戦隊と交戦し、ルンガ沖夜戦（タサファロング沖海戦）が勃発しました。

ミネアポリスは砲撃により駆逐艦高波を撃破しましたが、第二水雷戦隊が発射した魚雷がミネアポリスに2本命中し、艦首が大きく損傷しました。ボイラー室も海水に浸水するほどの被害を受けましたが、応急措置と巧みな操艦術によって沈没を免れ、ツラギ島に後退しました。この海戦で、姉妹艦のニューオーリンズも艦首を失い、重巡ペンサコーラも損傷、重巡ノーザンプトンは沈没しました。

ツラギ島に到着後、ミネアポリスはヤシの葉などで偽装され、敵の目を欺きました。シービー（建設部隊）による応急修理を受け、メア・アイランド海軍造船所への回航が可能となりました。

1943年 - 1944年

1943年8月に戦線に復帰したミネアポリスは、その後20ヶ月にわたり太平洋戦線の主要な戦いに参加しました。10月にはウェーク島への攻撃に参加し、その後はブタリタリ、クェゼリン、マジュロへの攻撃作戦を支援しました。

1944年2月にはトラック島空襲に参加し、その後、スプルーアンス大将直率の部隊の一艦として、脱出を図る日本艦隊を攻撃しました。この際、軽巡洋艦香取と駆逐艦舞風を撃沈しました。その後もマリアナ諸島、カロリン諸島、パラオ、トラックなど各地を攻撃しました。6月にはサイパン島への艦砲射撃を行い、マリアナ沖海戦にも参加しました。

7月から8月にかけてはグアムの戦いに参加し、昼夜を問わない艦砲射撃で地上部隊の進撃を支援しました。9月にはパラオへの攻撃に参加し、10月にはレイテ湾への事前砲撃を行いました。

スリガオ海峡の夜戦

レイテ沖海戦では、ミネアポリスは第77部隊の一艦としてスリガオ海峡に展開し、西村艦隊の侵入を防ぎました。10月25日未明、西村艦隊との激しい夜戦が開始され、戦艦扶桑、駆逐艦朝雲、山雲、満潮を撃沈しました。残存艦もオルデンドルフ少将の丁字戦法により壊滅させました。

スリガオ海峡の夜戦後、ミネアポリスはフィリピン水域で第38任務部隊の護衛と艦砲射撃を交互に行いました。

1945年

1945年1月にはルソン島、リンガエン湾への上陸支援を行い、2月にはバターン、コレヒドール島への上陸支援を実施しました。3月からは沖縄戦の準備を行い、4月1日には沖縄本島の那覇飛行場を砲撃しました。

長期間にわたる支援任務の後、砲身の摩耗のため交換が必要となりました。4月12日に出港準備をしましたが、菊水二号作戦によって遅れました。戦闘でミネアポリスは4機の特攻機を撃墜し、夕方に出港し、ブレマートンへ向かいました。修理後、戦場に復帰しました。

ミネアポリスは第二次世界大戦での戦功により、16個の従軍星章を受章しました。

戦後

終戦後、ミネアポリスは第7艦隊司令長官キンケイド中将の座乗艦として、朝鮮半島で日本軍の降伏を受諾しました。その後は黄海で偵察巡航を行い、中国への海兵隊上陸を支援しました。帰還兵を西海岸に輸送した後、1946年1月14日にパナマ運河を経由し、フィラデルフィアへ向かいました。1946年5月21日に予備役となり、1947年2月10日に退役しました。ミネアポリスは1959年8月14日にスクラップとして売却されました。

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