メキシコ・シティ国際空港

メキシコシティ国際空港：中南米のハブ空港

メキシコシティ国際空港は、メキシコの首都メキシコシティにある国際空港で、正式名称は「ベニート・フアレス国際空港」です。これは、自由主義者としてフランスの干渉に抵抗したベニート・フアレス大統領にちなんで名付けられました。中南米における主要なハブ空港として、国内外の広範囲な都市を結ぶ重要な役割を担っています。

空港の概要

空港はメキシコシティの中心部から約8キロメートルの距離に位置し、24時間体制で運営されています。その立地から、メキシコ国内各地への乗り継ぎだけでなく、南北アメリカの主要都市間、南米とヨーロッパを結ぶ国際線の乗り継ぎにも頻繁に利用されています。

高い標高

空港の標高は約2,230メートルと非常に高く、世界的に見ても高地に位置する主要国際空港の一つです。このため、空港内には酸素ボンベが常備されています。標高の高さは航空機のエンジン効率にも影響を与え、離陸時の速度や揚力が低下する要因となります。そのため、かつては長距離便の離陸が困難でしたが、近年では燃費効率の良い航空機の導入により、直行便の運航も可能になりました。特に、成田国際空港との間には、日本発着の国際線としては最長距離の直行便が運航されています。

スリリングな着陸体験

市街地に近接しているため、着陸時には市内の高層ビル群を間近に見ることができ、スリル満点な体験ができます。着陸直前には民家が真下に見え、まるで不時着するような感覚を味わえます。ただし、深刻な大気汚染のため、快晴の日でも市内全体をはっきりと見渡すことは難しい場合があります。

モービルラウンジの利用

ボーディングブリッジが利用できない場合、乗客は雨に濡れないように「モービルラウンジ」と呼ばれる特殊車両を使って航空機に搭乗・降機します。これは、世界でも珍しいサービスの一つです。

就航路線と就航都市

アエロメヒコ航空やボラリスなどのメキシコの航空会社がハブ空港として利用しており、中南米や世界各地から多数の航空会社が乗り入れています。メキシコ国内線はもちろん、北米、ヨーロッパ、アジアなどへの広範な路線網が整備されています。

国際線就航都市
アジア・中東: 東京、ソウル、イスタンブール、ドバイ
ヨーロッパ: マドリッド、バルセロナ、ロンドン、パリ、アムステルダム、フランクフルト、ミュンヘン
北米: トロント、バンクーバー、モントリオール、アトランタ、オースティン、ニューヨーク、ダラス、フォートワース、デトロイト、ヒューストン、ロサンゼルス、ワシントン、オーランド、フェニックス、サンディエゴ、サンフランシスコ、ラスベガス、マイアミ、シャーロット、デンバー、サンアントニオ、ミネアポリス、オークランド、セントポール、シアトル、ソルトレイクシティ
中央アメリカ: サンホセ、パナマシティ、ハバナ、グアテマラシティ、サン・ペドロ・スーラ、プンタカナ、サンサルバドル
南米: サンパウロ、ブエノスアイレス、リマ、サンティアゴ・デ・チレ、ボゴタ、メデジン、カリ、カルタヘナ、カラカス

国内線就航都市
アカプルコ、カンクン、アグアスカリエンテス、ティフアナ、チワワ、ラパス、モンテレイ、グアダラハラ、タンピコ、メヒカリ、ロス・カボス、シウダービクトリア、コリマ、ウアトゥルコ、ラサロ カルデナス、レオン、マンサニヨ、モレリア、ポサリカ、プエルトエスコンディード、サルティーヨ、サン・ルイス・ポトシ、テピク、ベラクルス、ハラパ、サカテカス、シウダー・フアレス、クリアカン、エルモシージョ、マサトラン、シウダ・デル・カルメン、タパチュラ、トゥストラ・グティエレス、トレオン、ドゥランゴ、シワタネホ、プエルトバジャルタ、オアハカ、ケレタロ、ロスモチス、シウダ・オブレゴン、ビヤエルモサ、マタモロス、レイノサ、メリダ、コスメル、イスタパ・シウアタネッホ

過去に就航していた航空会社

メキシカーナ航空、日本航空、ヴァリグブラジル航空、アエロ[[ペルー]]、パンアメリカン航空、トランス・ワールド航空、コンチネンタル航空、ノースウェスト航空などがかつて就航していました。

施設概要

空港には二つの旅客ターミナルがあります。ターミナル1は国際線用で、1958年に開業し、その後何度も拡張されています。ターミナル2は国内線用で、2007年に完成しました。アエロメヒコ航空やスカイチーム加盟航空会社が利用しています。ターミナル間は新交通システム「アエロトレン」で移動できます。また、アエロトレンが運休の場合は、バスによる代替輸送が行われます。

空港へのアクセス

メキシコシティ中心部や市街地へは、メキシコシティ地下鉄5号線、空港バス、市バス、タクシーなどでアクセスできます。

新空港の建設と現状

2014年には、テスココ湖の埋立地に新空港の建設計画が発表されましたが、2018年に建設が中断されました。その後、2022年3月には、メヒコ州スンパンゴにフェリペ・アンヘレス国際空港が開港しています。また、メヒコ州トルーカにもトルーカ国際空港があります。

関連情報

関連項目: フェリペ・アンヘレス国際空港、トルーカ国際空港、メキシコ・シティ・テスココ国際空港、ハブ空港、格安航空会社、シャトル便
* 外部リンク: 公式サイト

メキシコシティ国際空港は、そのユニークな立地と多様な就航路線により、メキシコだけでなく中南米全体において重要な役割を担う空港です。

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