三条公親

三条公親：鎌倉時代の公卿、その生涯と時代

三条公親（さんじょう きんちか）は、鎌倉時代前期から中期にかけて朝廷で重要な役割を果たした公卿です。右大臣を務めた三条実親を父に持ち、官位は正二位・内大臣にまで昇進しました。後三条入道内府、あるいは白川前内府とも呼ばれ、その生涯は鎌倉時代の公家社会を色濃く反映しています。

経歴

公親の経歴は、『公卿補任』に詳しく記されています。

嘉禄元年（1225年）1月5日、叙爵。
安貞元年（1227年）1月5日、従五位上に叙される。
寛喜2年（1230年）1月5日、正五位下に叙され、同年12月25日には侍従に任ぜられる。
寛喜3年（1231年）1月29日、美作権介を兼任し、同日、左少将に任ぜられる。同年10月12日、従四位下に叙せられ、少将は元の如し。
貞永元年（1232年）1月30日、三河権介を兼ねる。
嘉禎元年（1235年）従四位上に叙される。
嘉禎2年（1236年）2月23日、正四位下に叙される。同年6月30日、母の喪が明けて復任。
嘉禎3年（1237年）10月27日、従三位に叙される。この年以前に左中将に任ぜられたと推測される。
暦仁元年（1238年）1月22日、下総権守を兼ねる。
延応元年（1239年）1月5日、正三位に昇叙。同年11月6日、権中納言に任ぜられる。
仁治2年（1241年）2月1日、従二位に昇叙。
仁治3年（1242年）10月18日、帯剣を許される。
宝治元年（1247年）7月16日、中宮大夫を兼ねる。
宝治2年（1248年）6月18日、中宮西園寺姞子が女院（大宮院）となったため、中宮大夫を停止。
建長2年（1250年）1月5日、正二位に昇叙し、同年5月17日、権大納言に任ぜられる。
建長7年（1255年）4月12日、右近衛大将を兼ねる。
文応元年（1260年）、右近衛大将兼任のまま大納言に転正。
弘長元年（1261年）3月11日、内大臣に任ぜられ、右大将は元の如し。同年9月には右大将を辞した。
弘長2年（1262年）1月20日、上表して内大臣を辞した。以後30年間、官位の昇進はなかった。
正応5年（1292年）7月12日、薨去。

非参議中将から権中納言への直任

三条家では、三条実房から始まり、公房、実親、公親、そして実重と、鎌倉時代末までに五代続けて非参議の三位中将から参議を経ずに権中納言に直任されています。これは、当時の公家社会において特筆すべき事例であり、三条家の勢力を示すものと言えるでしょう。

系譜

父：三条実親（1195-1263）
母：西園寺公経の次女（?-1235）
妻：洞院実雄の娘
男子：三条実重（1259-1329）
生母不明の子女
女子：房子 - 二位局。後深草天皇宮人。久明親王母。
女子：久明親王宮人
女子：御匣殿 - 後二条天皇宮人
女子：源彦仁室
養子
* 女子：喜子 - 従三位。二条良実娘。徳大寺公孝室



三条公親は、鎌倉時代における公家社会の隆盛を背景に、その地位を確立しました。彼の経歴や系譜は、当時の社会構造や人間関係を理解する上で貴重な情報源となります。彼の生涯は、鎌倉時代の公家社会を知る上で欠かせない存在と言えるでしょう。

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