上村司

上村司（うえむら つかさ）

プロフィール

上村司は、1957年2月18日生まれの日本の外交官です。大阪府出身で、灘高等学校、東京大学法学部を卒業後、外務省に入省しました。

外交官としてのキャリア

1981年に外務省に入省後、中近東アフリカ局に配属され、アラビア語研修を経て、在シリア日本国大使館で外交官補として勤務しました。その後、在アメリカ合衆国日本国大使館、在エジプト日本国大使館などを経て、外務省本省では経済協力局や大臣官房などで要職を歴任しました。

2000年には中東第一課長に就任し、中東地域への関与を深めました。2003年には在イラク日本国大使館参事官として赴任しましたが、同地でイラク日本人外交官射殺事件が発生し、同僚の奥克彦氏を失うという悲劇に見舞われました。

2012年には外務省領事局長に就任し、2014年には中東アフリカ局長に昇進。2017年10月にはサウジアラビア駐箚特命全権大使に任命されました。しかし、2020年に週刊文春によるパワハラ報道を受け、2021年2月に帰国、特命全権大使（アラブ地域担当）に異動となりました。その後、依願退官し、中東和平担当特使に就任、中東地域及び欧州地域に関連する諸問題に関し、関係国政府等と交渉する役割を担っています。

2023年には、パレスチナ・イスラエル戦争の勃発を受け、中東和平担当特使としてエジプト、ヨルダン、カタールに派遣されました。

人物像

上村氏は、中東地域のエキスパートとして知られています。アラビア語に堪能で、同地域の文化や歴史にも精通しています。外務省内では、交渉能力が高く、リーダーシップを発揮する人物として評価されていました。

不祥事

サウジアラビア大使在任中の2018年、部下のキャリア官僚に対し、300万円の支払いを強要したとしてパワハラ疑惑が報じられました。この問題は、上村氏のキャリアに大きな傷跡を残すことになりました。報道によると、上村氏は部下に対し、「踏み倒しは絶対に許さんぞ」などと発言し、借金を強要したとされています。また、人事評価をちらつかせ、実際に評価を下げたことも問題視されています。このパワハラ問題は、上村氏の外交官としてのキャリアに大きな影を落とし、その後の退官につながる一因となりました。この事件に関する情報は、元部下と思われる人物によってブログやSNSを通じて発信され続けており、その詳細が明らかになっています。

同期入省の主な人物

上村氏と同期で外務省に入省した人物には、以下のような人物がいます。

兼原信克（元国家安全保障局次長）
泉裕泰（日本台湾交流協会台北事務所長）
上月豊久（元ロシア大使）
岡村善文（OECD大使）
山田彰（元ブラジル大使）
佐藤地（元ハンガリー大使）
側嶋秀展（元ミクロネシア大使）
香川剛廣（国際貿易・経済担当大使）
石兼公博（国連大使）
高岡正人（クウェート大使）
冨田浩司（駐米大使）
川村裕（元ノルウェー大使）
嘉治美佐子（クロアチア大使）
宮島昭夫（ポーランド大使）

これらの同期入省組は、各方面で日本の外交を支える重要な役割を担っています。

その他

上村氏は、2021年10月より三井住友海上火災保険株式会社の顧問を務めています。また、中東和平担当特使として、中東地域に関する日本の外交政策に貢献しています。

外部リンク

（コロナ特集）サウジアラビアとCOVID19 - 2020年9月2日
日本とサウジアラビアの共通ビジョン - 2020年6月21日
日・サウジ・ビジョン2030によって両国関係の新時代が幕を開けると大使が述べる - 2019年6月29日
GRM開設記念シンポジウム　講演-3　上村　司氏　(日本語)

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