上月豊久

上月豊久について

上月豊久（こうづき とよひさ）は、1956年10月25日生まれの日本の外交官です。外務省で欧州局長や官房長などの要職を歴任し、2015年から2023年までロシア連邦駐箚特命全権大使を務めました。特に、安倍内閣下では異例の8年間という長期にわたり、北方領土問題の調整に尽力しました。しかし、在任中にロシアによるウクライナ侵攻が勃発し、北方領土問題の進展は難しい状況となりました。

経歴

東京都出身の上月氏は、1980年に東京大学教養学部在学中に外務公務員採用上級試験に合格し、1981年に同大学を卒業後、外務省に入省しました。その後、以下のようなキャリアを歩んでいます。

1994年7月：在英国日本国[[大使館]]一等書記官
1997年7月：在ロシア日本国大使館一等書記官
1998年1月：駐露大使館参事官
2000年9月：外務省北米局日米安全保障条約課長
2001年8月：外務省大臣官房、田中眞紀子外務大臣秘書官事務取扱
2002年2月：外務省欧州局ロシア課企画官
2002年3月：外務省欧州局ロシア課長
2004年2月：外務省大臣官房会計課長
2006年3月：外務省大臣官房総務課長
2008年1月：駐露公使
2010年8月：ボストン総領事
2011年1月：外務省大臣官房参事官兼欧州局
2011年10月：外務省大臣官房審議官兼欧州局
2012年2月：外務省大臣官房参事官兼欧州局（大使）
2012年9月：外務省欧州局長
2014年7月：外務省大臣官房長
2015年11月19日：ロシア連邦駐箚特命全権大使
2023年12月19日：依願免職
2024年4月：東海大学平和戦略国際研究所所長・国際学部教授

人物

上月氏は、外務省内で要職を歴任し、ロシアとの外交に深く関わってきました。特に、ロシア大使としての8年間は、北方領土問題の進展に大きな期待が寄せられていましたが、ロシアのウクライナ侵攻という予期せぬ事態により、その努力は実を結びませんでした。

また、田中眞紀子外相の秘書官を務めていた際には、田中外相が紛失した指輪の弁償を命じられるという騒動に巻き込まれたこともありました。この騒動は、田中外相がイランの外相との会談に遅刻する原因にもなりました。

2021年には、新型コロナウイルス感染症に罹患したことも報道されています。

同期入省者

上月氏と同期には、以下のような人物がいます。

兼原信克（元国家安全保障局次長、元内閣官房副長官補）
泉裕泰（日本台湾交流協会台北事務所長、元バングラデシュ大使）
岡村善文（OECD大使、元人権人道担当大使）
山田彰（元ブラジル大使、元メキシコ大使）
上村司（日本国政府代表（中東和平担当特使）、元サウジアラビア大使）
佐藤地（元ハンガリー大使、元ユネスコ大使）
側嶋秀展（元ミクロネシア大使、元ザンビア大使）
香川剛廣（国際貿易・経済担当大使、元エジプト大使）
石兼公博（国連[[大使]]、元カナダ大使）
高岡正人（元クウェート大使、元モンゴル大使、元シドニー総領事、元イラク大使）
高木昌弘（駐ドミニカ共和国大使、元クリチバ総領事）
冨田浩司（駐米大使、元韓国大使、元イスラエル大使）
川村裕（元ノルウェー大使、元沖縄大使、元コートジボワール兼トーゴ兼ニジェール大使）
川村泰久（カナダ大使）
嘉治美佐子（クロアチア大使、元ジュネーヴ代表部大使）
宮島昭夫（ポーランド大使、元トルコ大使）
重枝豊英（元リトアニア大使）
石井哲也（元トンガ大使）
岡田誠司（バチカン大使、元南スーダン大使）
冨永純正（元青年海外協力協会会長、元コンゴ民主共和国大使）
奥克彦（イラク日本人外交官射殺事件犠牲者、殉職のため大使の称号付与）
伊藤光子（世界の子どもにワクチンを日本委員会事務局長）
福嶌教輝（駐メキシコ大使、元アルゼンチン大使）
福嶌香代子（ナッシュビル総領事）

これらの同期入省者たちも、各方面で活躍しています。

外部リンク

大使館案内 大使（在ロシア日本国大使館ホームページ）
* (コロナ特集)新型コロナウイルス感染拡大がロシアに与える影響 – 一般社団法人 霞関会


上月氏は、長年にわたり日本の外交に貢献し、特にロシアとの関係においては重要な役割を担ってきました。その経験と知識は、今後の活動においても活かされることが期待されます。

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