下甑町長浜

下甑町長浜（しもこしきちょうながはま）

鹿児島県薩摩川内市に位置する下甑町長浜は、甑島列島の下甑島の中央部に位置する地域です。かつては下甑村の大字でしたが、市町村合併を経て現在の名称となりました。

地理

下甑島の最北端に位置し、東シナ海に面しています。西には瀬々野浦、南には青瀬、北には鹿島町藺牟田と隣接しています。集落は、芦浜、松原、浜口など9つの地区から成り、長浜港周辺に住宅や公共施設が集まっています。西側には航空自衛隊のレーダー基地があります。

地名の由来

地名の由来は、長崎鼻から尾山鼻までの海岸線が、白い砂浜であることに由来すると考えられています。特に長浜川から脇鼻にかけての刈浜と呼ばれる場所が、その特徴的な地形を示しています。

歴史

江戸時代

長浜は、江戸時代には甑島郷の一部であり、長浜村と呼ばれていました。伊能忠敬の記録によると、当時は180軒の家があったとされています。また、一向宗に対する厳しい取り締まりが行われ、天保の法難では村全体が焼き払われるという悲劇も経験しました。

キリスト教

17世紀初頭には、キリスト教の宣教師が上陸し、一時的に天主堂も建設されました。しかし、後にキリスト教は禁止され、弾圧の対象となりました。

近代

1889年の町村制施行により、周辺の村々と合併し下甑村の一部となりました。その後、長浜港は定期航路が開設され、重要な港湾として発展しました。

現代

2004年の市町村合併により、薩摩川内市の一部となり、現在の名称になりました。長浜港は、島民の生活を支える重要な交通手段として、今もなお重要な役割を担っています。

文化財

市指定

薩摩川内市指定の文化財として「出羽踊」があります。これは、地域に伝わる伝統的な踊りです。

施設

公共施設

• - 航空自衛隊春日基地下甑島分屯基地
• - 鹿児島県警察薩摩川内警察署長浜駐在所
• - 薩摩川内市消防局中央消防署下甑分駐所
• - 薩摩川内市下甑長浜診療所
• - 長浜地区コミュニティセンター
• - 下甑環境センター
• - 薩摩川内市地域包括支援センター甑島圏域サブセンター下甑事務所
• - 芦浜海水浴場

教育施設

• - 薩摩川内市立長浜小学校

郵便局

• - 長浜郵便局

寺社

• - 敷塩神社
• - 越路大明神
• - 長光寺

教育

長浜には小学校が1校あり、中学校は近隣の青瀬にある海星中学校に通学します。かつては中学校や幼稚園も設置されていましたが、統合により現在は小学校のみが残っています。

小学校

薩摩川内市立長浜小学校は、1880年に設立された歴史ある学校で、周辺の小学校との統合を経て現在に至ります。

中学校

かつては下甑村立長浜中学校がありましたが、1978年に閉校しました。現在は、海星中学校が長浜地区の生徒を受け入れています。

幼稚園

長浜小学校附属幼稚園がありましたが、2009年に近隣の幼稚園と統合し、鹿の子幼稚園となりました。

交通

港湾

長浜港は、串木野港や甑島各地へのフェリーや高速船が発着する重要な港です。島民の生活を支える重要な役割を担っています。

道路

鹿児島県道349号線と350号線が通っており、甑島列島内の移動を支えています。

バス

甑島コミュニティバス「甑かのこゆりバス」が運行されており、島内各地への移動手段となっています。

人口

2020年時点での人口は646人、世帯数は304世帯となっています。

まとめ

下甑町長浜は、美しい自然と歴史、そして港湾を中心とした人々の営みが織りなす地域です。島外との交通の要所であり、地域住民の生活を支える重要な拠点となっています。

参考文献

角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』角川書店、1983年。
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。
下甑村郷土誌編纂委員会『下甑村郷土誌』下甑村、2004年。
薩摩川内市教育委員会 “令和2年度薩摩川内市の教育” (PDF)

関連項目

* 長浜 (曖昧さ回避)

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