中村米吉 (5代目)

五代目 中村米吉

五代目 中村米吉（ごだいめ なかむら よねきち）は、1993年3月8日生まれの歌舞伎役者です。本名を小川修平といい、屋号は播磨屋を名乗ります。定紋は揚羽蝶、替紋は蔓片喰です。

歌舞伎の名門、中村家に生まれ、叔父に三代目中村又五郎、従兄弟に四代目中村歌昇、中村種之助がいるという、歌舞伎界の中でも特に由緒ある家系です。成城大学文芸学部文化史学科を中退後、現在はEvolueに所属し、舞台を中心に活躍しています。

来歴

2000年7月、歌舞伎座にて『宇和島騒動』の武之助役で、父である五代目中村歌六の前名である米吉を襲名し初舞台を踏みました。2010年9月には、父と叔父と共に屋号を萬屋から播磨屋に戻し、歌舞伎界に新たな歴史を刻みました。

2011年頃から本格的に女方としての道を歩み始め、2014年9月に名題試験に合格。同年11月には名題適任証を取得しました。2023年10月には重要無形文化財（総合認定）に認定され、「伝統歌舞伎保存会」の会員となりました。同年9月には歌舞伎座で『祇園祭礼信仰記』の雪姫、2024年1月には浅草公会堂で『本朝廿四孝』の八重垣姫、同年11月には明治座で『鎌倉三代記』の時姫を演じ、女方の大役である三姫を短期間で制覇するという偉業を成し遂げました。

人物

大の甘党として知られ、自身のInstagramには「甘いものは世界を救う」というハッシュタグと共に、日々のスイーツを投稿しています。2015年の新春浅草歌舞伎のポスターでピンクのシャツを着用したことをきっかけに、ピンクがイメージカラーとして定着しました。それ以降、様々な場面でピンクの衣装を着用することが求められるようになったそうです。

また、自他ともに認めるおしゃべり好きで、「しゃべりすぎる女形」と自己紹介することもあります。Instagramでのライブ配信では、2時間以上も一人で話し続けることがあり、そのトークは多くのファンに支持されています。

2024年2月1日には、かねてより交際していた京都出身の一般女性との入籍を公表し、同年5月29日には東京・帝国ホテルで結婚披露宴を行いました。

受賞歴

2015年：『鳴神』の雲の絶間姫で十三夜会奨励賞を受賞
2021年：第42回松尾芸能賞新人賞を受賞
2023年：『妹背山婦女庭訓』の入鹿妹 橘姫で国立劇場賞優秀賞を受賞

主な出演

歌舞伎

2000年7月：歌舞伎座『宇和島騒動』武右衛門せがれ武之助（初舞台）
2012年8月：国立劇場 亀治郎の会『栴檀女道行』栴檀女
2012年12月：国立劇場 伝統歌舞伎保存会研修発表会『一條大蔵譚』常磐御前
2013年12月：国立劇場 伝統歌舞伎保存会研修発表会『仮名手本忠臣蔵 七段目』遊女おかる
2014年3月：歌舞伎座『日本振袖始』稲田姫
2014年9月：歌舞伎座 秀山祭九月大歌舞伎『鬼一法眼三略巻・菊畑』皆鶴姫、『絵本太功記・尼ヶ崎閑居の場』初菊
2015年3月：京都四條南座 三月花形歌舞伎『鳴神』雲の絶間姫
2015年8月：ラスベガス・ベラージオ『KABUKI Spectacle －Koi Tsukami（鯉つかみ）』鯉の精
2016年1月：新春浅草歌舞伎『与話情浮名横櫛』お富
2016年5月：ラスベガス・MGMグランド デビッド・カッパーフィールド劇場『Japan KABUKI Festival in Las Vegas 2016・獅子王』白縫姫・傾城乙星
2019年6月：歌舞伎座『梶原平三誉石切』娘梢
2020年1月：新春浅草歌舞伎『菅原伝授手習鑑』「寺子屋」戸浪、『絵本太功記』初菊、『仮名手本忠臣蔵』「七段目」お軽
2021年3月：三月花形歌舞伎『義経千本桜』「川連法眼館」源義経、静御前、「吉野山」静御前
2022年7月：歌舞伎座『風の谷のナウシカｰ白き魔女の戦記ｰ』ナウシカ
2023年3月-4月：IHIステージアラウンド東京 新作歌舞伎『ファイナルファンタジーX』ユウナ
2023年7月：大阪松竹座 村上元三作 『吉原狐』泉屋おきち
2023年9月：歌舞伎座 『金閣寺』雪姫
2024年1月：新春浅草歌舞伎『本朝廿四孝』八重垣姫
2024年2月-3月：新橋演舞場 スーパー歌舞伎『ヤマトタケル』兄橘姫・弟橘姫

舞台

2022年12月-2023年1月：『オンディーヌ』オンディーヌ役
2025年2月：朗読劇『青空』

ドラマ

2023年1月-3月：『ママはバーテンダー〜今宵も踊ろう〜』坂井幸樹役

Podcast

『Kabuki Pods 〜Yoneトーク〜』パーソナリティ
* 『中村米吉 悪魔の時間』パーソナリティ



五代目 中村米吉は、伝統的な歌舞伎の世界で着実に実力を磨きながら、現代的な感性も併せ持つ注目の役者です。今後の活躍にも目が離せません。

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