井の頭自然文化園

井の頭自然文化園について

井の頭自然文化園は、東京都武蔵野市（本園）と三鷹市（分園）に位置する都立の動物園です。井の頭公園の一角にあり、1942年5月17日に開園しました。この動物園は、日本産の動物と、子どもたちに人気の外国産動物を主なテーマとしています。開園当初から残る多くの樹木が、地域住民にとって憩いの場となっています。

展示の特色

園内には、動物と触れ合える「モルモットコーナー」や「家畜舎」、間近で観察できる「リスの小径」などがあります。かつてはアジアゾウの「はな子」が長年飼育され、多くの来園者に親しまれていましたが、2016年にその生涯を閉じました。また、絶滅危惧種のツシマヤマネコの分散飼育にも取り組んでおり、種の保存にも貢献しています。

園内の構成

本園では、主に哺乳類と鳥類が飼育されており、分園では、井の頭池に囲まれた環境で水鳥が飼育されています。本園には「資料館」があり、特設展示や講演会が開催されます。かつては「熱帯鳥温室」がありましたが、老朽化のため2013年に閉館しました。分園には、淡水魚や両生類を展示する「水生物館」があります。

文化施設とレクリエーション

本園には、彫刻家北村西望の作品が展示されている「彫刻園」があります。長崎平和祈念像の原型もここで鑑賞できます。また、小さな遊園地「スポーツランド」や「ぶらんこ広場」があり、子供連れの家族にも人気です。

飼育されている主な動物

• - モルモット
• - ヤギ
• - ニホンカモ[[シカ]]
• - ヤクシカ
• - オリイオオコウモリ
• - カピバラ
• - フェネック
• - マーラ
• - ミーアキャット
• - アムールヤマネコ
• - ツシマヤマネコ
• - アカゲザル
• - ニホンリス
• - ヤマドリ
• - オシドリ
• - オオハクチョウ
• - ミゾゴイ
• - カイツブリ
• - ミヤコタナゴ
• - ニホンコウノトリ
• - ミズグモ

開園までの歴史

1905年、渋沢栄一がこの地を借り、非行少年を収容する施設を開設しました。その後、1917年に井の頭恩賜公園が開園し、1934年には現在の分園の位置に「中之島小動物園」が開園しました。1939年、井の頭学校の移転後、動物園の計画が始まりましたが、戦時中のため規模が縮小され、1942年に「自然生態観察園」として開園しました。

年表

• - 1917年：井の頭恩賜公園として開園
• - 1934年：井の頭池の中之島に小動物園が開園
• - 1936年：水族館が開設
• - 1942年：井の頭自然文化園が開園、資料館が完成。開園後初の動物繁殖（タヌキ）、キリンとラクダが来園
• - 1952年：童心居が完成
• - 1953年：スポーツランドが開設
• - 1954年：アジアゾウ「はな子」が来園
• - 1956年：サル山が完成
• - 1958年：彫刻園1号館と日本初の水生植物園が完成
• - 1959年：ダチョウ舎、ワラビー舎が完成
• - 1960年：アフリカからダチョウが来園
• - 1961年：彫刻園2号館が完成
• - 1962年：熱帯鳥温室が完成
• - 1963年：童話の国が完成
• - 1964年：彫刻園3号館、ヤクシカ舎、キョン舎が完成
• - 1966年：ツバキ園が開設
• - 1968年：ダマジカの国内初繁殖に成功
• - 1969年：クロヅルの国内初繁殖に成功
• - 1972年：サル山を改修、カンムリバトの国内初繁殖に成功
• - 1975年：水生物館を改築
• - 1982年：彫刻園4号館が完成
• - 1983年：キュウシュウノウサギが来園
• - 1984年：ゾウ「はな子」来園30周年記念祝典開催、ラクダ舎完成
• - 1985年：リスの森構想が発足
• - 1988年：和鳥舎、分園管理棟が完成、シコクヤマドリの国内初繁殖に成功
• - 1990年：オシドリ千羽計画に基づき、オシドリを放鳥
• - 1991年：ホンドテン舎、アカハナグマ舎が新設、フェネック舎を拡張
• - 1997年：水生物館をリニューアル
• - 2000年：韓国からアムールヤマネコが来園
• - 2004年：アジアゾウ「はな子」が来園50周年
• - 2006年：ツシマヤマネコ来園、カンムリエボシドリの国内初繁殖に成功
• - 2007年：ツシマテン来園
• - 2011年：東日本大震災の影響で一時休園
• - 2012年：台風でニホンリスが脱走、捕獲
• - 2013年：熱帯鳥温室が老朽化により閉館
• - 2014年：動物園（本園）にペンギン舎がオープン。アムールヤマネコが人工授精で初出産
• - 2016年：はな子が永眠（享年69歳）
• - 2017年：ユーラシアカワウソ、ニホンコウノトリ、クロツラヘラサギが来園
• - 2018年：アカガシラカラスバト、ミゾゴイ、ニホンイノシシが来園

アジアゾウ「はな子」について

はな子は、1947年にタイで生まれたメスのアジアゾウで、戦後初の来日ゾウです。来日当初は上野動物園で飼育され、その後、井の頭自然文化園に移動しました。長年、多くの人に愛され、2016年に69歳で生涯を閉じました。

基本情報

• - 所在地：東京都武蔵野市御殿山1-17-6（本園）、三鷹市井の頭3-31-30（分園）
• - 交通アクセス：JR中央本線・京王井の頭線「吉祥寺駅」から徒歩10分
• - 面積：115,500平方メートル（本園82,500平方メートル、分園33,000平方メートル）
• - 飼育動物数：本園約90種700点、分園約100種4,000点
• - 開園時間：9:30～17:00（入園は16:00まで）
• - 休園日：月曜日（祝日の場合は翌日）、年末年始
• - 入園料：大人400円、65歳以上200円、中学生150円、小学生以下無料
• - 年間パスポート：大人1,600円、65歳以上800円

井の頭自然文化園は、動物とのふれあいを通して自然を身近に感じられる、都内でも貴重なスポットです。

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