伊地知季清

伊地知季清（いじち すえきよ）

伊地知季清は、1854年（安政元年）に生まれ、1905年（明治38年）10月15日に亡くなった日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍少将で、鹿児島県出身です。

人物

伊地知季清は、明治維新後の日本の近代軍制が整備されていく中で、そのキャリアを築きました。当初、鹿児島藩のフランス式編成近衛隊に伍長として任官し、その後、陸軍幼年学校、陸軍士官学校で学びました。1877年（明治10年）には陸軍少尉に任官し、軍人としての道を歩み始めました。

軍歴においては、東京鎮台砲兵第一大隊第二中隊中央小隊長、教導団砲兵大隊第二中隊中央小隊長などを歴任し、その後、野戦砲兵第四連隊において中隊長、大隊長と昇進しました。その後、第二師団参謀、台湾総督府参謀、第一師団参謀長といった要職を歴任し、1900年（明治33年）には陸軍少将に任官し、呉要塞司令官に就任しました。その後、由良要塞司令官も務めるなど、要塞防衛においても重要な役割を果たしました。

伊地知は、日清戦争にも従軍しており、その功績から勲章も授与されています。

官歴

1868年（明治4年）
3月：鹿児島藩兵第三大隊兵として上京
7月25日：フランス式編成近衛兵隊と改称
8月11日：伍長に任官
1873年（明治6年）9月27日：陸軍幼年学校入学
1875年（明治8年）1月28日：陸軍士官学校（旧1期）入学
1877年（明治10年）
3月7日：士官見習
3月18日：征討軍団付
4月9日：陸軍少尉試補に任官
7月18日：陸軍少尉に任官
9月27日：凱旋
1879年（明治12年）
2月4日：大阪鎮台砲兵第4大隊第1中隊付
9月25日：大阪鎮台砲兵第1大隊第2中隊中央小隊長に補任
1880年（明治13年）
5月11日：教導団砲兵大隊第2中隊中央小隊長に補任
7月15日：東京鎮台司令官伝令使に補任
1881年（明治14年）4月28日：陸軍中尉に任官
1883年（明治16年）9月11日：一等給
1884年（明治17年）6月3日：陸軍砲兵大尉に任官、野戦砲兵第4連隊第2大隊第2中隊長に補任
1885年（明治18年）8月24日：大阪鎮台参謀に補任
1887年（明治20年）11月2日：一等給
1888年（明治21年）5月14日：参謀本部第一局局員に補任
1889年（明治22年）1月2日：陸軍砲兵少佐に任官、野戦砲兵第4連隊第2大隊長に補任
1891年（明治24年）9月9日：第4師団参謀に補任
1894年（明治27年）
2月21日：第4師団参謀を免職、フランス公使館付に補任
9月15日：帰朝
9月28日：陸軍砲兵中佐に任官
10月23日：大本営付
11月16日：帰朝
1895年（明治28年）
1月10日：第2軍所在地へ出発
1月14日：第2師団参謀に補任
1月20日：威海衛上陸各所に於いて戦闘
7月7日：帰朝
7月15日：参謀本部御用掛兼勤
8月28日：台湾総督府参謀に補任
9月1日：東京出発
9月11日：基隆上陸
9月16日：南進軍参謀長に補任
10月10日：陸軍砲兵大佐に任官
12月3日：帰朝
12月19日：フランス公使館付
1897年（明治30年）12月10日：フランス公使館付を免ぜられ、参謀本部出仕を命ぜられ、フランス駐在員取締兼勤を免ぜられる。
1898年（明治31年）3月3日：第1師団参謀長に補任
1900年（明治33年）4月25日：陸軍少将に任官、呉要塞司令官に補任
1902年（明治35年）5月5日：呉要塞司令官を免ぜられ、由良要塞司令官に補任
1905年（明治38年）10月15日：卒去

栄典・授章・受賞

位階

1880年（明治13年）2月28日：正八位
1881年（明治14年）8月10日：従七位
1884年（明治17年）6月30日：正七位
1891年（明治24年）12月28日：従六位
1894年（明治27年）10月26日：正六位
1896年（明治29年）4月20日：従五位
1900年（明治33年）7月10日：正五位
1905年（明治38年）
8月23日：従四位
10月14日：正四位

勲章等

1879年（明治12年）4月15日：勲六等単光旭日章
1885年（明治18年）11月19日：勲五等双光旭日章
1889年（明治22年）11月29日：大日本帝国憲法発布記念章
1893年（明治26年）11月29日：勲四等瑞宝章
1895年（明治28年）11月18日：明治二十七八年従軍記章
1896年（明治29年）4月11日：功四級金鵄勲章・旭日小綬章
1897年（明治30年）11月25日：勲三等瑞宝章
1905年（明治38年）
5月30日：勲二等瑞宝章
10月14日：旭日重光章

脚注

参考文献

『官報』
『日本陸軍将官総覧』新人物往来社
* 『アジア歴史資料センター』「陸軍少将伊地知季清勲章加授ノ件・履歴書」

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