伊東恵司

伊東恵司（いとう けいし）

プロフィール

伊東恵司は、1967年生まれの日本の合唱指揮者、詩人、作詞家です。作詩・作詞活動を行う際は「みなづきみのり」のペンネームを使用しています。京都府合唱連盟理事、日本合唱指揮者協会会員を務め、アルティ声楽アンサンブルフェスティバル実行委員長、コーラスめっせ代表としても活躍しています。

人物

京都府京都市で生まれ、父はろう教育者で、ろう者の権利獲得と手話通訳の普及に尽力した伊東雋祐です。京都府立嵯峨野高等学校を経て同志社大学経済学部に進学し、「ポストモダン芸術論」を専攻しました。同志社グリークラブ在団中に恩師である指揮者、福永陽一郎が急逝。その遺志を継ぎ指揮者の道を歩むことを決意しました。1990年に同志社大学卒業後、母校に勤務する傍ら、関西を中心に合唱指揮者として活動を開始しました。

1990年には淀川混声合唱団の指揮者に就任。1993年にはなにわコラリアーズを創設し、全日本合唱コンクール全国大会で1999年から2008年まで10年連続金賞を受賞、うち3回は最高賞である文部科学大臣奨励賞を受賞しました。その他、合唱団葡萄の樹（1999年創設）、アンサンブルVine（2000年創設）など、多数の合唱団を創設・指導するほか、同志社グリークラブ、混声合唱団名古屋大学コール・グランツェなど、多くの大学合唱団の指導や客演指揮も行っています。

合唱指揮者としての活動と並行して、2009年頃から作詞活動を本格的に開始。「みなづきみのり」名義で、松下耕、高嶋みどり、千原英喜、信長貴富など多くの作曲家により合唱曲が作られています。当初はペンネーム以外の情報を伏せていましたが、2013年5月発行の雑誌「ハンナ」で自身のペンネームが「みなづきみのり」であることを公表しました。それ以前にも、2013年3月には福島県郡山市で行われた第18回音楽都市こおりやま全国合唱祭でのアンサンブルVine出演時の舞台上トークにて自ら公表しています。

音楽

同志社グリークラブの学生指揮者として最初に手がけた曲は多田武彦の「中勘助の詩から」でした。これは伊東が中勘助の作品「銀の匙」を愛読していたことに由来します。中勘助の繊細な詩情は、伊東の音楽の繊細さにも通じるところがあります。多田と伊東は年齢は離れているものの、「京都の大学で男声合唱団に所属していた」「大学卒業後は会社員と並行して音楽活動を行っていた」「若い頃に映画監督を目指していた」などの共通点がありました。多田の最晩年の作品である『京洛の四季』は伊東が作詞を手掛けています。

なにわコラリアーズ創設後は、男声合唱界の活性化を目指し、それまであまり開拓されていなかった海外の現代曲を積極的に取り入れました。その成果は、なにわコラリアーズの10年連続金賞受賞という結果に表れており、全国の合唱団のレパートリー拡大に大きく貢献しています。

著書

「学生合唱のためのスチューデントソングブック」（名島啓太共著、2011年、カワイ出版）
「学生合唱のためのスチューデントソングブック2」（名島啓太共著、2015年、カワイ出版）
「グリークラブアルバム CLASSIC」（広瀬康夫・山脇卓也共著、2016年、カワイ出版）
「グリークラブアルバム NEXT」（広瀬康夫・山脇卓也共著、2017年、カワイ出版）

参考文献

「今こそ語り継ぎたい名曲2 中勘助の詩から」『ハーモニー』No.147（全日本合唱連盟、2009年）

外部リンク

目をひらく 耳をすます つぶやく 伊東恵司
* みなづきみのり 夢見るさかなのあぶく

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