佐伯幸三

佐伯幸三：映画の黎明期から昭和を彩った映画監督

佐伯幸三（さえき こうぞう）は、1912年（大正元年）12月4日に東京で生まれ、1972年（昭和47年）12月27日に60歳で生涯を閉じました。彼は、サイレント[[映画]]の時代から映画界で活動し、脚本家、映画監督としてその才能を発揮しました。

生い立ちとキャリアの初期

佐伯は、早稲田中学校を中退後、内外通信社や博報堂に勤務しました。映画界への足がかりとなったのは、大都[[映画]]での脚本家としてのデビューです。1934年（昭和9年）に『名君道中記』で脚本家としてのキャリアをスタートさせました。その後、大都[[映画]]に助監督として入社し、1937年（昭和12年）には『浮世絵双紙』で監督デビューを果たしました。

戦中・戦後の活動

第二次世界大戦中、大都[[映画]]は新興キネマ、日活の製作部門と合併し、大日本映画製作（後の大映）となりました。佐伯は、大映東京第二撮影所に所属し、1943年（昭和18年）に『華やかなる幻想』を発表しましたが、戦時中は記録が途絶えています。

戦後、佐伯は映画界に復帰し、1947年（昭和22年）に『鉄拳の街』で監督として復活しました。1950年代には、『月から来た男』、『瞼の母』、『阿波狸屋敷』などの話題作を手がけ、大映京都撮影所でも活躍しました。その後、新[[東宝]]や東宝でも作品を監督するなど、活動の幅を広げました。

多彩なジャンルへの挑戦

1955年（昭和30年）には、宝塚映画で『弥次喜多漫才道中』シリーズや『女の学校』を監督しました。また、大映東京撮影所でも作品を撮っていましたが、1957年（昭和32年）に大映を離れ、東京映画で『ぶっつけ本番』を監督しました。以降、東京映画では現代劇、宝塚映画では時代劇を撮るようになりました。特に、1964年（昭和39年）からは「駅前シリーズ」の監督を引き継ぎ、12作品を手がけました。

引退と晩年

1967年（昭和42年）に『喜劇 駅前満貫』を最後に、翌年1968年（昭和43年）に病に倒れ、事実上の引退となりました。そして、1972年（昭和47年）に60歳でその生涯を閉じました。

佐伯幸三は、そのキャリアを通じて、サイレント[[映画]]から戦後の日本映画の発展までを見届け、数多くの作品を世に送り出しました。彼の作品は、今もなお多くの映画ファンに愛され続けています。

主なフィルモグラフィー

脚本デビュー
1934年：『名君道中記』

監督デビュー
1937年：『浮世絵双紙』

主な監督作品
1941年：『暁雲武蔵ケ原』
1942年：『宮本武蔵 決戦般若坂』
1943年：『華やかなる幻想』
1947年：『鉄拳の街』
1948年：『幽霊塔』
1951年：『月から来た男』
1952年：『瞼の母』
1952年：『阿波狸屋敷』
1952年：『猛獣使いの少女』
1952年：『チョイト姐さん思い出柳』
1953年：『一等社員 三等重役兄弟篇』
1955年：『弥次喜多漫才道中 化け姫騒動の巻』
1955年：『弥次喜多漫才道中 腰抜け一家の巻』
1955年：『女の学校』
1957年：『妻こそわが命』
1958年：『大当り狸御殿』
1958年：『彼奴は誰だッ』
1958年：『ぶっつけ本番』
1960年：『天下の大泥棒 白浪五人男』
1960年：『唄祭ロマンス道中』
1960年：『幽霊繁盛記』
1960年：『自由ヶ丘夫人』
1961年：『アトミックのおぼん スリますわヨの巻』
1961年：『漫画横丁 アトミックのおぼん 女親分対決の巻』
1962年：『夢で逢いましょ』
1963年：『ハイハイ3人娘』
1963年：『若い仲間たち うちら祇園の舞妓はん』
1964年：『ミスター・ジャイアンツ 勝利の旗』

駅前シリーズ
1964年：『喜劇 駅前女将』
1965年：『喜劇 駅前大学』
1967年：『喜劇 駅前満貫』

1966年：『何処へ』

参考資料

『東宝特撮映画全史』監修 田中友幸、東宝出版事業室、1983年12月10日。ISBN 4-924609-00-5。
Kozo Saeki - IMDb（英語）
* 佐伯幸三 - 日本[[映画データベース]]

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