第5普通科連隊

第5普通科連隊について

第5普通科連隊は、青森県青森市に所在する陸上自衛隊の部隊で、第9師団に所属する普通科連隊です。連隊長は1等陸佐が務め、連隊本部、本部管理中隊、4個の普通科中隊、そして重迫撃砲中隊で編成されています。1951年に警察予備隊の部隊として発足して以来、幾多の改編や移駐を経て現在に至ります。

歴史

創設期

1951年5月、警察予備隊第1管区隊第5連隊として金沢駐屯地で編成されました。当初は連隊本部、本部中隊、第1、第2大隊で構成され、第3大隊は函館駐屯地に置かれました。

同年10月には第1大隊が青森駐屯地へ移駐しました。翌1952年には部隊改編により、函館駐屯地の第3大隊が第4連隊第3大隊に、船岡駐屯地の第6連隊第3大隊が第5連隊第3大隊に改編されました。さらに、連隊本部と直轄中隊は金沢から青森へ、第2大隊は金沢から秋田へと移駐し、第2管区隊の隷下となりました。

陸上自衛隊発足後

1954年7月、陸上自衛隊の発足に伴い、第5普通科連隊に名称が変更されました。その後、第6管区隊の隷下となり、1956年には八戸駐屯地へ移駐しましたが、1962年に再び青森駐屯地へ戻りました。

部隊の再編

1962年8月、第9混成団が第9師団に改編される際、連隊の再編が行われました。第2大隊を基幹として第5普通科連隊が編成され、本部管理中隊、4個の普通科中隊、重迫撃砲中隊が置かれました。また、この再編時に第5普通科連隊を母体として第38普通科連隊と第39普通科連隊が新編されています。

近代化と災害派遣

1990年には師団の近代化に伴い自動車化され、2010年にはゲリラ・コマンド対処型連隊へと改編されました。旧式装備は一新され、WAPC（装輪装甲車）、89式小銃、LMAT（携行式対戦車ミサイル）、高機動車、MINIMI（軽機関銃）などが配備されました。また、後方支援体制の変更により、整備部門は第9後方支援連隊に移管されました。

2011年の東日本大震災では、約300名が岩手県へ災害派遣されました。また、2021年には集中豪雨に見舞われた風間浦村へ災害派遣されています。

特徴

冬季雪中戦技演習

毎年、厳冬期の八甲田山系で冬季雪中戦技演習を実施しています。この演習は1965年から始まり、2019年で50回目を迎えました。この演習は、雪中での戦闘能力を維持・向上させるための重要な訓練です。

継承される歴史

第5普通科連隊は、大日本帝国陸軍の歩兵第5連隊の連隊番号を継承しています。この歩兵第5連隊は、日露戦争前の八甲田雪中行軍遭難事件でも知られています。この歴史は、第5普通科連隊の隊員たちの誇りとなっています。

部隊編成

第5普通科連隊は、以下の部隊で構成されています。

連隊本部
本部管理中隊
連隊本部班
情報小隊
施設作業小隊
通信小隊
補給小隊
衛生小隊
狙撃班
第1普通科中隊
第2普通科中隊
第3普通科中隊
第4普通科中隊
重迫撃砲中隊
整備支援部隊

主要装備

第5普通科連隊は、以下の装備を保有しています。

96式装輪装甲車
軽装甲機動車
高機動車
1/2tトラック / 73式小型トラック
1 1/2tトラック / 73式中型トラック
3 1/2tトラック / 73式大型トラック
89式5.56mm小銃
5.56mm機関銃MINIMI
M24対人狙撃銃
01式軽対戦車誘導弾
81mm迫撃砲 L16
* 120mm迫撃砲 RT

警備隊区

第5普通科連隊は、青森県内の以下の市町村を警備隊区としています。

青森市、平内町、七戸町、野辺地町、東北町、三沢市、六ケ所村、横浜町、東通村、むつ市、佐井村、大間町、風間浦村、田子町、三戸町、南部町、八戸市、階上町

まとめ

第5普通科連隊は、長い歴史と伝統を持つ部隊であり、精強な部隊として知られています。冬季雪中戦技演習を通じて鍛えられた隊員たちは、様々な任務に対応する能力を有しています。また、災害派遣にも積極的に参加しており、地域住民の安全・安心に貢献しています。

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