八王子神社

八王子神社について

八王子神社は、スサノオ（牛頭天王）の八柱の御子神である八王子権現を祀る神社です。八王子宮、八柱神社とも呼ばれ、日本全国に存在します。これらの神社は、元々神仏習合の信仰に根ざしており、その歴史と信仰は多岐にわたります。

起源と変遷

八王子神社の起源は、913年（延喜13年）に華厳菩薩妙行が現在の東京都八王子市にある深沢山（城山）で修行中に、牛頭天王と八人の王子が現れたという伝説に遡ります。この因縁により、916年（延喜16年）に深沢山に八王子権現が祀られたと伝えられています。

牛頭天王は仏教の守護神であり、頗梨采女との間に八人の子（八王子）がいるとされています。八王子神社は、この八王子を祀る神社なのです。八王子は八方位の暦神に比定され、八将神とも呼ばれていました。

明治時代の神仏分離の際、八王子権現は牛頭天王と習合していたスサノオと、天照大神との誓約（うけい）によって生まれた五男三女神に変えられました。これらの神々は以下の通りです。

正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命（マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ）
天之菩卑能命（アメノホヒ）
天津日子根命（アマツヒコネ）
活津日子根命（イクツヒコネ）
熊野久須毘命（クマノクスビ）
多紀理毘売命（タキリビメ）
市寸島比売命（イチキシマヒメ）
多岐都比売命（タキツヒメ）

ただし、神社によっては異なる神を祭神としている場合もあります。例えば、八坂神社における八王子は、八島士奴美神、五十猛神、大屋比売神、抓津比売神、大歳神、宇迦之御魂神、大屋毘古神、須勢理毘売命です。また、「八柱神社」という名称は、単に八柱の神を祀るという意味で使用されることもあります。

各地の八王子神社

八王子神社は、関東地方、中部地方、近畿地方、四国地方など、日本全国に存在します。以下にいくつかの例を挙げます。

関東地方
八王子神社 (さいたま市)
八王子神社 (八王子市) - 東京都八王子市元八王子町。八王子市の地名の由来。
八王子神社 (船橋市)
八王子神社 (茅ヶ崎市)
中部地方
八王子神社 (飯田市)
八王子神社 (大町市)
八王子神社 (長野県辰野町)
八柱神社 (長野県根羽村)
八王子神社 (恵那市)
八王子神社 (磐田市)
八柱神社 (浜松市)
八柱神社 (岡崎市)
八王子神社 (刈谷市)
八柱神社 (碧南市)
八柱神社 (愛知県東栄町)
八王子社 (南知多町)
近畿地方
八柱神社 (大紀町)
八柱神社 (奈良市)
八王子社 (奈良市納院町) - 祭神は大山咋神。
八王子神社（橿原市）
八王子神社 (加西市)
八王子神社 (大阪市)
常世岐姫神社 – (八尾市)旧称は八王子神社
四国地方
八王子宮 (室戸市)
八王子宮 (香美市)
八王子宮 (高知県土佐山田町)

八王子市の地名の由来

東京都八王子市の地名は、戦国時代に北条氏照が深沢山に城を築いた際、八王子権現の伝説から「八王子城」と名付けたことに由来します。

関連情報

八王子神社に関連する情報として、以下のものがあります。

王子神
八神社、大将軍八神社
* 八大神社

八王子神社は、その起源、祭神、そして各地の神社によって異なる歴史と信仰を持つ、非常に興味深い神社です。訪れる際には、それぞれの神社の由来や祭神について調べてみると、より深く理解できるでしょう。

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