八王子権現

八王子権現

八王子権現は、近江国牛尾山（現在の八王子山）における山岳信仰と、天台宗・山王[[神道]]が融合して生まれた神仏習合の神です。日吉山王[[権現]]、または牛頭天王の眷属である8人の王子を祀ったもので、神仏分離・廃仏毀釈が行われる以前は、全国の八王子社で祀られていました。また、三十番神の一神としても知られています。

由来

八王子権現のルーツは、音羽山の支峰である牛尾山にあります。古くは主穂（うしお）山と呼ばれ、家の主が神々に初穂を供える山として信仰されていました。牛尾山の山頂にあった牛尾宮は、比叡山延暦寺の鎮守であった日吉山王[[権現]]21社の一つで、山王の王子である8人の眷属神が八王子権現として祀られ、千手観音菩薩を本地仏としていました。

また、別の説として、牛尾を忌むことから、祇園精舎の守護神である牛頭天王が頗梨采女（はりさいにょ）との間に設けた8人の王子が八王子権現であるという信仰も発展しました。

概要

日吉山王[[権現]]、あるいは牛頭天王の8人の眷属神（相光・魔王・俱魔良・徳達神・良侍・達尼漢・侍神相・宅相神）は、それぞれ釈迦・文殊・弥勒・観音・薬師・普賢・阿弥陀・地蔵を本地仏とし、八方の各方位を司るとされました。塞神信仰や陰陽道の影響を受け、病気や災厄を免れるご利益をもたらすと信じられるようになりました。

平家物語には、比叡山の呪詛によって八王子権現の神矢に倒れた関白藤原師通の説話が登場し、当時の八王子権現に対する信仰の厚さがうかがえます。

廃仏毀釈

明治維新の神仏分離・廃仏毀釈によって、日吉山王[[権現]]や牛頭天王（祇園信仰）とともに、八王子権現も衰退の一途を辿りました。多くの八王子社は、日吉八王子神社、八王子神社、牛尾神社などと名前を変え、現在に至っています。

脚注

三十番神
本地仏

関連項目

八将神
オオヤマツミ
山王[[神道]]
法華[[神道]]
八王子 (曖昧さ回避)
素戔嗚神社

もう一度検索