円信院殿

円信院殿（えんしんいんでん）

円信院殿は、生年不詳ながら、元亀3年12月23日（1573年1月26日）に没した戦国時代の女性です。種子島時尭の次女として生まれ、母は島津忠良の娘である島津にしです。彼女は島津義久の継室であり、二人の子、島津新城（島津彰久室）と島津亀寿（島津久保室、後に島津忠恒室）をもうけました。同母姉は伊集院忠棟室、異母弟には種子島時次と種子島久時、異父弟に肝付兼寛（父は肝付兼盛）がいます。妙蓮夫人、または妙連夫人とも呼ばれていました。

生涯

本名は不明ですが、弘治2年（1556年）に両親が離婚し、母の実家である島津家で育ちます。その後、永禄5年（1562年）頃に島津義久に嫁ぎました。この結婚は、義久が円信院殿の従兄弟であったため、親族間の婚姻となりました。また、祖父である島津忠良の養女として義久に嫁いだとも伝えられています。永禄6年（1563年）には、長女である島津新城が誕生し、元亀2年（1571年）には次女の島津亀寿が生まれています。

円信院殿は、元亀3年（1573年）に亡くなり、その墓所は京都市の本能寺にあります。法号は「円信院殿妙連大姉」または「円信院殿実渓妙蓮大姉」です。島津氏と本能寺の関係については明確な記録が残っていないものの、実父である時尭の種子島氏が本能寺の大檀越であり、木材や鉄砲の取引を通じて深い関係を築いていたことが知られています。

家族関係

父: 種子島時尭
母: 島津にし（島津忠良の娘）
夫: 島津義久
子:
島津新城（島津彰久室）
島津亀寿（島津久保室、後に島津忠恒室）
同母姉: 伊集院忠棟室
異母弟: 種子島時次、種子島久時
* 異父弟: 肝付兼寛（父は肝付兼盛）

その他

円信院殿の生涯は、戦国時代の女性の生活や、島津氏という有力大名家の内情を垣間見る上で重要な手がかりとなります。彼女の出自、結婚、そして二人の娘たちの存在は、当時の社会構造や婚姻関係を理解する上で貴重な情報です。また、彼女の墓所が本能寺にあるという事実は、種子島氏と本能寺との繋がりを示唆しており、当時の武士や寺院との複雑な関係を物語るものです。

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