島津新城

島津新城（しまづ しんじょう）

島津新城は、永禄6年（1563年）に島津義久の次女として誕生しました。母は種子島時堯の娘・円信院殿です。彼女は島津彰久の正室であり、島津久信の母としても知られています。また、異母姉に島津御平、同母妹に島津亀寿がいます。

幼名は「お玉」とする説もありますが、本名は不明です。結婚後は、居所から「新城」と呼ばれるようになりました。

天正2年（1574年）、島津以久が義久に、長男・島津彰久と新城の婚姻を申し入れます。時期は定かではありませんが、その後、新城は彰久に嫁ぎました。彰久とは又従姉弟の関係でした。

天正13年（1585年）、新城は島津久信を出産します。しかし、文禄4年（1595年）に、夫・彰久が朝鮮出兵中に巨済島で死去するという悲劇に見舞われます。

慶長15年（1610年）、義父である島津以久が亡くなると、久信が後継者（佐土原藩主）に指名されます。しかし、新城は自身の老齢などを理由に固辞しました。

寛永元年（1624年）、薩摩藩主・島津家久（忠恒）の命により、家久の七女を孫・島津久章の婚約者として養女に迎えます。

寛永18年（1641年）、新城は垂水（現在の鹿児島県垂水市）で生涯を閉じました。享年79歳。戒名は「瑚月浄珊庵主」です。

彼女の晩年は、不幸が続きました。一人息子の久信が、義久や孫の島津久敏が島津家家督を狙ったとして、家久と対立し失脚。さらに、久信や久敏、久章といった子や孫たちが変死を遂げ、失意のままこの世を去りました。彼女の生涯は、戦国時代から江戸時代初期にかけての激動期における一族の盛衰を色濃く反映していると言えるでしょう。

もう一度検索