劉道憐

劉道憐（りゅう どうれん）

劉道憐（368年 - 422年）は、南朝宋の皇族であり、初代皇帝・劉裕の異母弟にあたる人物です。その生涯は、軍事と政治の両面で目覚ましい功績を残しました。

生涯

劉道憐は、劉翹と蕭文寿の間に生まれました。当初は劉道鄰という名でしたが、一般的には劉道憐の名で知られています。若い頃は国子学生として学問に励み、後に謝琰の徐州刺史のもとで従事史を務めました。

404年、劉裕が桓玄を討伐して建康を平定した際、道憐は家に留まって母を慰めました。桓玄が敗走すると、武陵王司馬遵の承制により、員外散騎侍郎に任じられ、その後、建威将軍・南彭城国内史に転じました。

北青州刺史の劉該が東晋から離反し、北魏の援軍を招き入れると、道憐は義兵を率いて対応しました。405年には、北魏の侵攻を受け、彭城が包囲される事態となりましたが、道憐は果敢に救援に向かい、敵を撃退する事に成功しました。彼は追撃戦においても劉該を討ち取るなど、目覚ましい戦功を挙げました。

その後、劉裕が京口に駐屯すると、道憐は龍驤将軍に任じられ、堂邑郡太守を兼ねて石頭に駐屯しました。407年には、劉敬宣らと共に後蜀攻略を命じられましたが、敵将の抵抗により遠征は失敗に終わりました。しかし、これまでの功績により新興県五等侯に封じられました。その後も并州刺史・義興郡太守を歴任しましたが、引き続き石頭に駐屯しました。

道憐は彭城への駐屯を希望しましたが、朝廷の判断により山陽への駐屯を命じられ、征虜将軍・都督淮北諸軍事・北東海郡太守に任じられ、新渝県男に封じられました。409年、劉裕に従って南燕を討伐し、先頭に立って戦い、410年の広固城陥落の際には、慕容超を捕らえるという功績を挙げました。これにより、使持節・左将軍に昇進しました。

411年には、北徐州刺史に転じ、彭城に移駐しました。412年、劉裕が劉毅を討伐すると、道憐は都督兗青二州晋陵京口淮南諸軍事・兗青二州刺史に任じられ、京口に駐屯しました。413年には、竟陵県公に改封されました。その後も中軍将軍、散騎常侍などの要職を歴任し、415年の司馬休之討伐の際には、建康の留守を任されました。劉裕が江陵を平定すると、道憐は都督荊湘益秦寧梁雍七州諸軍事・驃騎将軍・開府儀同三司・鎮護南蛮校尉・荊州刺史に任じられました。

417年、劉裕が後秦を滅ぼして関中を平定すると、道憐は侍中・都督徐兗青三州揚州之晋陵諸軍事・守尚書令・徐兗二州刺史に任じられました。419年には、尚書令を解任され、司空に進み、京口に駐屯しました。

420年、劉裕が帝位につくと、道憐は太尉となり、長沙王に封じられました。421年には、建康の宮殿に入って住みました。

422年、55歳で薨去し、太傅の位を追贈されました。

妻子

妻: 長沙太妃檀氏
男子:
劉義慶
劉義欣
劉義融
劉義宗
劉義賓
劉義綦

人物評価

劉道憐は、その軍事的才能と政治手腕により、南朝宋の建国と安定に大きく貢献しました。異民族の侵略を防ぎ、国内の反乱を鎮圧するなど、数々の功績を挙げ、その手腕は高く評価されました。また、地方長官としても民政に尽力し、領民からの信頼も厚かったと伝えられています。

参考文献

『宋書』巻51 列伝第11
『南史』巻13 列伝第3

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