台北捷運南港線

台北捷運南港線

台北捷運南港線は、台北市の南港区にある南港駅から中正区の西門駅を結ぶ路線です。西門駅からは板橋線と直通運転を行い、両線合わせて板南線と呼ばれています。路線のイメージカラーは藍色で、台湾鉄路管理局縦貫線や台湾高速鉄道と並走しています。

路線データ

駅数：13
軌間：1,435 mm（標準軌）
電気方式：直流750 V（第三軌条方式）
複線区間：全線
地下区間：全線
走行方向：右側通行

運行状況

運行時間は6:00から24:00までで、概ね4分間隔で運行されています。平日のラッシュ時には最短2分30秒間隔となり、23:00以降は運転本数が減少します。ラッシュ時や深夜には、一部列車が昆陽駅止まりとなります。時刻表は存在しませんが、各駅のホームや改札周辺には、次の列車の到着までの時間が表示されています。

設備

全駅が地下駅です。右側通行、第三軌条方式、軌間1435mm、ATO方式、ワンマン運転と、主に欧米の地下鉄をモデルにしています。一部の駅にはホームドアや可動柵が設置されており、バリアフリー化が進んでいます。各駅の改札外にはATM、売店、自動販売機があります。駅構内や列車内での飲食は、ガムや清涼飲料も含めて禁止されており、違反者には罰金が科せられます。携帯電話の電波はトンネル内でも利用可能ですが、通話は小声で行うように案内されています。改札内の広告は、キャンペーンなどで台北捷運の広告や公共広告に変わることがあります。

車両

C321型電車とC341型電車（いずれもシーメンス社製）が6両編成で運用されています。1両の長さは23.5m、車両幅は3.2mで、1編成の定員は1,914名です。これは日本のJR在来線の通勤型電車の約7両分、乗車定員では12両分以上に相当します。列車内の広告も、キャンペーンなどで台北捷運の広告や公共広告に変わることがあります。車両基地は、昆陽駅と南港駅の間に南港機廠があります。

歴史

1999年12月24日：市政府駅～西門駅間が開業。
2000年12月30日：昆陽駅～市政府駅間が開業。
2001年9月17日：台風ナーリーの影響で、板南線が全線運休。地上浸水により全駅が水没する被害が発生。
2008年12月25日：南港駅～昆陽駅間が延伸開業。
2011年2月27日：南港展覧館駅～南港駅間が延伸開業。
2017年5月1日：北捷全路線の駅番号が再編され、板南線内で通し番号に変更。

2001年の台風水没被害

2001年9月17日、台風ナーリーにより、南港線（当時は昆陽駅が起点）は甚大な被害を受けました。全駅が冠水し、直通先の板橋線も運行不能となりました。

当日までの経緯は以下の通りです。

9月15日：捷運公司が台北駅に対策本部を設置。
9月16日：昆陽駅から「南港地区の道路冠水が甚大」との報告があり、昆陽駅で止水板を稼働、留置列車の避難を決定。
9月17日：
0:30 - 南港機廠で浸水が始まり、列車の避難を開始。
3:20 - 浸水が機廠から本線への分岐器に拡大し、送電停止。
3:30 - 昆陽駅に水が流入、浸水域が拡大。本部が防水対策を決定。
4:10 - 台北市街地の浸水が甚大となり、本部は作業員の安全確保を要請。
4:50 - 後山碑駅ホームも浸水。
6:00 - 市政府駅以西と他路線で運行開始。
7:40 - 昆陽駅の浸水水位が止水板の高さに達し、板南線の終日運休を決定。
7:45 - 基隆河沿いの取水場が水没したとの報告。
7:50 - 昆陽駅が完全に冠水、水が後山碑方面に流れる。
8:00 - 木柵線以外の高運量全路線で運休。
8:53 - 台北駅で浸水が始まり、コンコースが冠水。
9:15 - 永春駅に設置した土嚢が浸水。
10:00 - 市政府駅で浸水が始まる。
10:15 - 国父紀念館駅で土砂が流入。
10:55 - 忠孝復興駅で浸水。
11:05 - 東区地下街で浸水。
12:10 - 忠孝新生駅で浸水。
13:45 - 西門駅で浸水。
16:20 - 台北駅地下の捷運管制室が水没。

復旧

10月14日：板橋線の新埔～西門間が復旧。
10月27日：南港線が西門～忠孝復興間で運行再開。
12月8日：忠孝復興～市政府が復旧、通常運行再開。
12月15日：市政府～昆陽が復旧、全線で通常運行に戻る。

駅一覧

南港展覧館（BL23）
南港（BL22）
昆陽（BL21）
後山埤（BL20）
永春（BL19）
市政府（BL18）
国父紀念館（BL17）
忠孝敦化（BL16）
忠孝復興（BL15）
忠孝新生（BL14）
善導寺（BL13）
台北車站（BL12）
西門（BL11）


外部リンク

台北捷運公司

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