塚原温泉

塚原温泉の魅力

塚原温泉（つかはらおんせん）は、大分県由布市湯布院町塚原に位置する温泉地で、伽藍岳の中腹に広がっています。この温泉は、全国屈指の泉質を誇り、国民保養温泉地「湯布院温泉郷」の一部として知られています。多くの訪問者がこの温泉を「湯布院の秘湯」として親しみ、鄙びた雰囲気を漂わせています。

泉質の特徴

塚原温泉の泉質は硫酸塩泉で、特徴的な緑色の源泉を持っています。この温泉のpHは1.5と非常に低く、アルミニウムや鉄分が豊富に含まれており、全国で最も高い鉄イオン含有量を誇ります。酸性の強さは玉川温泉や蔵王温泉に匹敵し、それによって皮膚への効能が期待されています。特にアトピー性皮膚炎や水虫といった皮膚疾患に悩む方々が多く訪れることでも知られています。

さらに、塚原温泉は日本三大薬湯の一つであり、慢性皮膚炎、糖尿病、筋肉痛、神経痛、関節痛など、様々な病の療養にも効果があるとされています。

温泉街の魅力

塚原温泉には、施設が1軒存在し、木製の浴槽や耐酸性コンクリートで作られた露天風呂、家族風呂などを備えています。建物の情緒は共同浴場にも似ており、温泉の独特な雰囲気を醸し出しています。入浴施設の背後には地獄地帯が広がり、この地域では地熱が高いため、地面が非常に熱くなることもあります。特に大雨が降ると、温泉の湯量や成分の濃度が変化するなど、自然と密接に関連した特徴があります。

また、伽藍岳の火口にある眠れる熱水は、別府八湯の温泉源とも言われ、地域の温泉全体に影響を及ぼしています。近年、この火口周辺の見学は可能になりましたが、その場所は危険で立ち入り禁止となっているため、見学を希望する方は事前に確認する必要があります。

蒸し卵の特産

塚原温泉のもう一つの魅力は、伽藍岳の噴気によって蒸し上げられた蒸し卵です。約20時間かけて温泉の成分を染み込ませたこの蒸し卵は、燻製のような風味を持ち、殻が剥きやすいことから、食材としても人気があります。訪れる観光客の中には、この蒸し卵を目当てに来る方も多く、早々に売り切れることもあるそうです。

歴史と発展

開湯は平安時代に遡るとされ、かつては3軒の温泉旅館が存在しましたが、現在では入浴施設が1つのみ残っています。大正時代には別府十湯の一つとして知られていましたが、時代の流れにより別府から外れ、近年には由布市内の5つの温泉が「湯布院温泉郷」として新たに認定されました。

アクセス

塚原温泉へのアクセスは、久大本線由布院駅からタクシーで約20分、大分自動車道由布岳スマートインターチェンジからも便利です。この美しい秘湯を訪れ、多様な自然の癒しを体験してみてはいかがでしょうか。

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