大伴牛養

大伴牛養（おおとも の うしかい）

大伴牛養は、奈良時代において活躍した公卿であり、彼の名前は『牛飼』とも記されています。彼は常道頭である大伴吹負の子として生まれ、官位は正三位・中納言にまで昇進しました。本記事では、彼の経歴や官歴を詳細に紹介します。

経歴の概要

大伴牛養は、和銅2年（709年）に従六位上からスタートし、次第に昇進していきます。同年の正月9日には従五位下に叙爵され、和銅3年（710年）には遠江守に就任しました。その後、和銅7年（714年）には従五位上、養老4年（720年）には正五位下に昇叙され、元明朝から元正朝にかけて安定した昇進が見られました。

特に、養老5年（721年）には左衛士督として、右衛士督の日下部老と協力しながら衛士の役務年数を短縮するよう奏上し、その提案が認められるなど、政治的手腕も発揮しました。聖武朝の初期には、神亀6年（729年）に発生した長屋王の変の影響を受けて、叙位任官の記録が欠如している時期があります。

そして、天平9年（737年）には藤原四兄弟の相次ぐ死を受けて、正五位上に昇叙されます。それ以降は急速に出世し、天平10年（738年）には従四位下、さらに天平11年（739年）には参議に任じられて公卿の仲間入りを果たします。

政治的活動

牛養は議政官としても重要な役割を果たし、摂津大夫や兵部卿を兼任しました。天平15年（743年）には従四位上に昇叙され、天平14年（742年）には聖武天皇の行幸に際して平城留守司を務めるなど、重責を担いました。また、天平16年（744年）には難波行幸に際して恭仁宮留守司を務めました。

天平17年（745年）には、紫香楽宮への急な遷都にあたり、その役割を果たし、まもなく三階昇進して従三位に昇叙されました。天平18年（746年）には、鎮撫使が再設置され、牛養は山陽西海道両道の鎮撫使を兼任することになります。

最終的には、天平21年（749年）4月に正三位・中納言に叙任され、同年の閏5月29日に他界しました。彼の最後の官位は中納言正三位でした。

官歴

大伴牛養の官歴は、以下のように記されています：

• - 時期不詳：従六位上
• - 和銅2年（709年）：正月9日 - 従五位下
• - 和銅3年（710年）：5月8日 - 遠江守
• - 和銅7年（714年）：3月28日 - 従五位上
• - 養老4年（720年）：正月11日 - 正五位下
• - 養老6年（722年）：日付不詳 - 左衛士督
• - 天平9年（737年）：9月28日 - 正五位上
• - 天平10年（738年）：正月13日 - 従四位下、閏7月7日 - 摂津大夫
• - 天平11年（739年）：4月21日 - 参議
• - 天平14年（742年）：8月27日 - 平城留守司
• - 天平15年（743年）：5月5日 - 従四位上
• - 天平16年（744年）：日付不詳 - 兼兵部卿、2月2日 - 恭仁宮留守司
• - 天平17年（745年）：正月7日 - 従三位（越階）
• - 天平18年（746年）：4月5日 - 兼山陽西海道鎮撫使
• - 天平21年（749年）：4月1日 - 正三位、中納言、閏5月29日 - 薨去（中納言正三位）

系譜

彼の父は大伴吹負で、母についての情報は不明です。

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大伴牛養は、奈良時代の重要な公卿であり、その業績は後世に影響を及ぼしました。彼の努力と才能は、日本史において忘れられない存在として記録されています。

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