大分県道・熊本県道11号別府一の宮線

大分県道・熊本県道11号別府一の宮線：絶景ドライブコース「やまなみハイウェイ」

大分県別府市と熊本県阿蘇市を繋ぐ、全長約102kmの主要地方道である別府一の宮線は、その一部区間が「やまなみハイウェイ」として知られる人気のドライブコースです。別府湾の美しい海岸線から始まり、由布岳、九重連山といった九州を代表する山々、そして阿蘇の雄大なカルデラへと続く、変化に富んだ景観が魅力です。

ルート概要と歴史

別府市汐見町を起点に、由布市、九重町、南小国町、産山村を経て阿蘇市一の宮町に至る本路線は、1972年に大分県と熊本県によって主要地方道として認定されました。その歴史は古く、別府市から由布市湯布院町間は、1953年から1970年まで国道210号に指定されていた時期もあります。

特に、由布市水分峠から阿蘇市一の宮地区間の区間は、1964年に日本道路公団によって有料道路「別府阿蘇道路」として開通しました。この区間が現在「やまなみハイウェイ」として知られる、雄大な自然の中を走る美しい道路です。1994年に料金徴収が終了し無料開放された後も、その景観は高く評価され、多くのドライバーに愛されています。やまなみハイウェイは、九州横断道路の一部としても機能しています。

自然と景観

別府一の宮線は、単なる交通路というだけでなく、沿線の豊かな自然を楽しむための観光ルートでもあります。

別府市から由布院町にかけては、温泉街や由布岳の雄大な姿が眺められます。標高約1,583mの由布岳（豊後富士）の麓は広大な草原が広がり、道路は緩やかなカーブとヘアピンカーブを繰り返し、変化に富んだドライブを楽しめます。早朝の由布院盆地は霧に覆われることも多く、狭霧台からの眺めは絶景です。

湯布院から飯田高原へは、針葉樹林帯に囲まれた峠道を走ります。飯田高原では視界が開け、噴煙を上げる久住山（九重連山）を望むことができます。長者原ビジターセンターやタデ原湿原などの観光スポットも点在し、散策も楽しめます。九重連山周辺には温泉が湧き出ており、道中いたるところで湯気が立ち上る様子も見られます。

やまなみハイウェイの最高地点である牧ノ戸峠（標高1,330m）は、星生山や久住山への登山口にもなっています。

瀬の本高原から阿蘇の外輪山にかけては、牧場が広がる緩やかな丘陵地帯が広がります。阿蘇五岳の雄大な景色を眺めながらのドライブは、まさに絶景です。阿蘇カルデラ内に入ると、田園地帯が広がり、阿蘇神社のある阿蘇市一の宮市街地にたどり着きます。

道路状況と周辺施設

別府市街地では4車線以上の道路が整備されていますが、由布院町川西を通る区間は1車線の狭隘道路となっている箇所もあり、注意が必要です。やまなみハイウェイ区間は2車線道路ですが、冬期は積雪や凍結に注意が必要です。

沿線には、別府国際観光港、鉄輪温泉、坊主地獄、城島高原、南由布駅、飯田高原、長者原、瀬の本高原、城山展望所、阿蘇神社、宮地駅など、多くの観光スポットや公共施設が点在しています。また、多くの温泉地や宿泊施設があり、ドライブの休憩場所としても最適です。

その他

別府一の宮線は、日本百名道の一つにも選定されています。また、瀬の本高原には、「四次元の坂」と呼ばれる、目の錯覚を利用した珍しい坂道もあります。

この道路は、自然の景観と観光資源を満喫できる、ドライブに最適なルートと言えるでしょう。

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