大口勇次郎

大口勇次郎

大口勇次郎（おおくち ゆうじろう、1935年8月 - ）は、日本の歴史学者であり、特に日本の近世社会史と女性史を専門としています。お茶の水女子大学の名誉教授であり、その研究業績は高く評価されています。2014年には瑞宝中綬章を受章しました。

経歴

大口勇次郎は、1935年（昭和10年）8月に東京府（現在の東京都世田谷区）で生まれました。1959年に東京大学文学部国史学科を卒業後、1964年に同大学院の博士課程を単位取得満期退学しました。その後、東京大学の助手として勤務し、1966年にお茶の水女子大学の専任講師に就任しました。1968年には助教授、1978年には教授へと昇進し、2001年に定年退官するまで教鞭を執りました。お茶の水女子大学退官後は名誉教授となり、聖徳大学の教授も務め、2007年に退職しました。

研究内容

大口勇次郎の研究は、近世日本の社会構造、特に女性の役割や家族制度に焦点を当てています。史料を丁寧に読み解き、当時の社会における女性の生活や意識、社会的な位置づけを明らかにする研究を行ってきました。

著書

大口勇次郎は、数多くの著書や論文を発表しています。以下に代表的な著書を挙げます。

『女性のいる近世』勁草書房 1995
『徳川時代の社会史』吉川弘文館 2001
『幕末農村構造の展開』名著刊行会・歴史学叢書 2004
『勝小吉と勝海舟 日本史リブレット』山川出版社、2013
『江戸城大奥をめざす村の娘―生麦村関口千恵の生涯』山川出版社、2016

これらの著書を通して、近世日本の社会や文化に対する理解を深めることができます。

編著・共著

大口勇次郎は、単著だけでなく、編著や共著も多数手がけています。共同研究を通じて、多角的な視点から歴史を考察し、研究の幅を広げています。

『勝海舟全集』全24巻 勝部真長・松本三之介共編 勁草書房 1972-77
『江戸とは何か 2 徳川の政治と社会』 至文堂 1985
『日本史史話』1-4 五味文彦共編 山川出版社 1993-94
『日本近世史』高木昭作共著 放送大学 1994
『縁組と女性 家と家のはざまで』 (シリーズ比較家族)、田中真砂子・奥山恭子共編 早稲田大学出版部 1994
『日本の近世』高木昭作・杉森哲也共著 放送大学 1998
『頼梅颸日記の研究』お茶の水女子大学ジェンダー研究センター 2001
『女の社会史 17-20世紀「家」とジェンダーを考える』 山川出版社 2001
『新体系日本史 9 ジェンダー史』成田龍一・服藤早苗共編 山川出版社 2014
『勘定奉行・川路聖謨関係史料』全6巻 監修 ゆまに書房 2015

受賞・栄典

2014年春には、長年の研究業績が認められ、瑞宝中綬章を受章しました。

参考文献

大口勇次郎 - J-GLOBAL

大口勇次郎の研究は、日本の近世史研究において重要な貢献を果たしており、今後の研究の発展が期待されています。

もう一度検索