太上王

太上王（テサンワン）とは

太上王（だいじょうおう、朝鮮語: 태상왕・テサンワン）とは、主に東アジアの国々において、譲位後の国王に対して用いられた尊号です。これは、王位を譲った後の王を敬うために与えられた称号であり、上王（じょうおう、サンワン）または太上国王とも呼ばれます。中国では譲位後の皇帝を太上皇、日本では譲位後の天皇を太上天皇と呼んだことに由来します。

太上王の成立

上王が存命中に次の国王が譲位した場合、その譲位後の国王が新たに上王となり、先代の上王は太上王と呼ばれるようになります。つまり、王位を二度譲った場合に、最初の譲位者が太上王となるのです。

李氏朝鮮の第26代国王である高宗は、大韓帝国の成立とともに皇帝となったため、譲位後は太上皇と呼ばれました。

歴史

高句麗

太祖大王：国王（53年-146年）、上王（146年-165年）。146年に弟の次大王に王位を譲位し、165年3月に別宮で死去しました。

新羅

真聖女王：国王（887年-897年）、上王（897年）。897年6月に孝恭王に譲位し、同年12月に金城（慶州）の北宮で死去しました。

後百済

甄萱：国王（900年-935年）、上王（935年-936年）。935年に王位継承問題で長男の甄神剣によって金山寺に幽閉されましたが、脱出して王建に投降し、尚父（「父として尊ぶ」の意）の称号と食邑として楊州を与えられました。

高麗

定宗：国王（945年-949年）、上王（949年）。949年3月に王位を同母弟（後の光宗）に譲り、後宮に移りました。
献宗：国王（1094年-1095年）、上王（1095年-1097年）。1095年に政変が起こり、鶏林公が反対勢力を駆逐して実権を握りました。同年10月に王位を鶏林公（後の粛宗）に譲って後宮に移りました。
忠烈王：国王（1274年-1298年、1298年-1308年）、上王（1298年）
忠宣王：国王（1298年、1308年-1313年）、上王（1308年）
忠粛王：国王（1313年-1330年、1332年-1339年）、上王（1330年-1332年）
忠恵王：国王（1330年-1332年、1339年-1344年）、上王（1332年-1339年）
恭譲王：国王（1389年-1392年）、上王（1392年）。李成桂に王位を譲り、杆城に追放されました。

朝鮮

太祖：国王（1393年-1398年）、上王（1398年-1400年）、太上王（1400年-1408年）
定宗：国王（1398年-1400年）、上王（1400年-1418年）、老上王（1418年-1419年）
太宗：国王（1400年-1418年）、上王（1418年-1421年）、太上王（1421年-1422年）
端宗：国王（1452年-1455年）、上王（1455年-1456年）。その後、魯山君に左降され、さらに庶人とされましたが、粛宗代の1691年に名誉回復され、「端宗」の諡号を贈られて歴代国王の列に加えられました。
世祖：国王（1455年-1468年）、上王（1468年）
中宗：国王（1506年-1544年）、上王（1544年）

その他の国々

ベトナム：鄭阮戦争時、鄭主と広南国に各1人の太上王が存在しました。
鄭主鄭杠（vi）：1739年~
広南国阮福淳：1776年~
カンボジア：ノロドム・シハヌーク国王（1993年-2004年）、上王（2004年-2012年）。滞在先だった中華人民共和国では太皇と呼ばれました。
ブータン：ジグミ・シンゲ・ワンチュク国王（1972年-2006年）、上王（2006年-）

関連項目

大院君
太上天王
太上女王
* 無上王

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