多賀城駐屯地

多賀城駐屯地について

多賀城駐屯地は、宮城県多賀城市丸山に所在する陸上自衛隊の駐屯地です。第22即応機動連隊をはじめとする部隊が駐屯しており、東北方面の防衛における重要な拠点となっています。駐屯地司令は、第22即応機動連隊長が兼務しています。最寄りの演習場は王城寺原演習場です。

歴史

日本海軍時代

1942年、この地には海軍工廠の建設が始まりました。大林組や菅原組などが工事を担当し、北側の丘陵地から土砂を採取して田畑を埋め立て、広大な工廠が造られました。1943年11月には多賀城海軍工廠（横須賀鎮守府所属）が開廠しましたが、1945年8月の終戦に伴い閉鎖されました。

進駐軍時代

終戦後、工廠の跡地は連合国軍の進駐軍の駐屯地「キャンプ・ローパー」として使用されました。

陸上自衛隊多賀城駐屯地

1954年12月5日、多賀城市民の誘致運動により、第6管区総監部が福島駐屯地から移駐し、工廠跡地の一部に「多賀城駐屯地」が開設されました。

1955年12月5日には、多賀城駐屯地の分屯地として霞目分屯地が開設されましたが、1957年12月10日には、霞目分屯地が駐屯地に昇格し、霞目駐屯地となりました。

1961年8月10日には、第22普通科連隊が仙台[[駐屯地]]から移駐し、東北補給処多賀城燃料支処が新設されました。

1999年3月29日には、第38普通科連隊が八戸[[駐屯地]]から移駐しました。

2006年3月27日には、東北方面混成団の新編に伴い、第6後方支援連隊第2整備大隊第2普通科直接支援中隊（第22普通科連隊を支援）と第119教育大隊が新編されました。また、第38普通科連隊が東北方面混成団の隷下部隊となり、一部が八戸[[駐屯地]]へ移駐しました。さらに、東北方面後方支援隊第301普通科直接支援中隊（第38普通科連隊を支援）が新編されました。

2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震（東日本大震災）が発生。災害派遣準備中に津波が襲来し、駐屯地内の南側が冠水しました。派遣準備を整えグラウンドなどに整列していた車両も水没する被害を受けました。この影響で、東北方面区での新入隊員教育が不可能となり、平成23年度の新規採用者の教育は他方面隊に振り分けて実施されました。

2019年3月25日には、第22普通科連隊と第6後方支援連隊第2整備大隊第2普通科直接支援中隊（第22普通科連隊を支援）が廃止されました。

翌26日には、第22即応機動連隊が新編され、第6後方支援連隊第2整備大隊即応機動直接支援中隊（第22即応機動連隊を支援）が新編されました。

駐屯部隊

多賀城駐屯地には、以下の部隊が駐屯しています。

東北方面隊隷下部隊
第6師団
第22即応機動連隊
第6後方支援連隊
第2整備大隊
即応機動直接支援中隊（主力）：第22即応機動連隊を支援
東北方面混成団
第38普通科連隊（主力）
第38普通科連隊本部
本部管理中隊
第1普通科中隊
第2普通科中隊
重迫撃砲中隊
第119教育大隊
東北方面後方支援隊
第301普通科直接支援中隊：第38普通科連隊を支援
東北補給処
多賀城燃料支処
東北方面会計隊
第381会計隊
東北方面システム通信群
第103基地システム通信大隊
第303基地システム通信中隊
多賀城派遣隊
多賀城駐屯地業務隊
防衛大臣直轄部隊
警務隊
東北方面警務隊
第124地区警務隊
多賀城派遣隊

交通アクセス

多賀城駐屯地へのアクセスは、以下の通りです。

高速道路：三陸沿岸道路 仙台港北IC
一般道路：国道4号、国道45号、宮城県道10号塩釜亘理線、宮城県道23号仙台塩釜線、宮城県道58号塩釜七ヶ浜多賀城線
鉄道：JR東日本仙石線 多賀城駅
港湾：仙台塩釜港（特定重要港湾）、石巻港（重要港湾）
飛行場：仙台空港（第二種空港）松島基地、霞目飛行場（その他の飛行場）

周辺の重要施設

周辺には、以下の様な重要施設が存在します。

原燃マシナリー（ウラン濃縮遠心分離機の開発・設計・製造）（仙台市宮城野区）
ENEOS仙台製油所（原油処理能力は日量14.5万バレル）（仙台市宮城野区）
コスモ石油塩釜油槽所（貯蔵容量は3.7万kl）（塩竈市）
東京航空局石巻航空路監視レーダー事務所（石巻市）
国見浄水場（仙台市青葉区）
中原浄水場（仙台市青葉区）
茂庭浄水場（仙台市太白区）
南蒲生浄化センター（仙台市宮城野区）

その他

1943年、多賀城海軍工廠とその家族住宅への給水のために上水道施設が設置され、これが現在の多賀城市の上水道の基礎となっています。海軍工廠時代の天の山配水池は、現在も多賀城市と塩竈市の一部に給水しています。

1945年4月には、慶應義塾大学工学部の学生が空襲で校舎を焼失したため、多賀城海軍工廠に約2ヶ月間動員されました。

多賀城村の1/4を占めたとされる多賀城海軍工廠は、返還後、多賀城駐屯地のほか、東北管区警察学校、東北学院大学多賀城キャンパス、仙台港北部の工場地帯などに生まれ変わりました。

また、1984年には、多賀城市に払い下げられた土地に、多賀城市文化センターが建設されました。

仙台臨海鉄道臨海本線は、多賀城海軍工廠専用線の路盤の一部を使用しています。両線の経路は仙台北港駅までほぼ同じですが、海軍工廠専用線はそこから北の現在の多賀城駐屯地まで延びていました。

宮城郡松島町には、多賀城海軍工廠の支廠があり、地下工場も存在していました。

アクセス

JR仙石線・多賀城駅から徒歩約28分。
仙台東部道路・仙台港北ICから4km。

脚注

多賀城駐屯地公式ウェブサイト

関連項目

仙塩ゴルフ倶楽部
高山外国人避暑地
松島パークホテル

外部リンク

多賀城駐屯地
多賀城駐屯地 (@TagajoGSDFpr ) - Twitter

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