存如

存如（ぞんにょ）は、室町時代に活躍した浄土真宗の僧侶であり、浄土真宗本願寺派の第7世宗主、真宗大谷派の第7代門首として知られています。大谷本願寺の住職も務め、諱は圓兼（えんけん）と称しました。法印権大僧都の位にあり、父は第6世の巧如（こうにょ）、猶子には広橋兼宣（ひろはし かねのぶ）がいました。妻は如円尼（にょえんに）で、本願寺中興の祖として名高い第8世蓮如（れんにょ）は長男にあたります。その他、子には蓮照（れんしょう、応玄）、弟には空覚（くうかく、光崇）や越中国瑞泉寺住持の如乗（にょじょう、宣祐）がいました。また、従兄弟には大和興福寺大乗院門跡の経覚（きょうかく）がいたとされています。

存如は、現在私たちが目にしている本願寺の御影堂と阿弥陀堂という二つの堂宇が並び立つ形式を初めて整備した人物です。この形式は、後の本願寺の伽藍配置に大きな影響を与えました。また、彼は『正信念仏偈』（正信偈）や『三帖和讃』を非常に重視し、これらの聖典を用いた教化活動に力を注ぎました。これらの活動は、長男である蓮如の思想や教化方法に少なからぬ影響を与えたと考えられています。

生涯

以下に、存如の生涯を年表形式で示します。年齢は数え年で表記し、日付は文献との整合性を保つため、すべて旧暦（宣明暦）で表示します（ただし、生歿年月日を除く）。

応永3年（1396年）：本願寺第6世である巧如の長男として誕生。
その後：准大臣広橋兼宣の猶子となり、青蓮院で得度。中納言と称される。
永享8年（1436年）：父・巧如より本願寺住持職を継承。
康正3年6月18日（1457年7月18日）：62歳で示寂。存如による譲状がなかったため、後継者問題が発生したが、長男の蓮如が第8世として本願寺を継承することとなった。

存如の時代は、本願寺が発展していく上で重要な時期であり、彼の功績は今日まで深く記憶されています。特に、御影堂と阿弥陀堂の整備や、『正信偈』『三帖和讃』の重視は、その後の本願寺の教義や儀式に大きな影響を与えました。また、蓮如という傑出した後継者を育てたことも、彼の大きな功績の一つと言えるでしょう。

存如は、本願寺の中興に大きく貢献した人物として、その名が歴史に刻まれています。

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