孫興

孫興（そん こう）

孫興は、五胡十六国時代の前燕に仕えた人物で、広平郡の出身です。生没年は不詳です。

生涯

孫興は前燕に仕え、武寧県令に任じられました。338年5月、後趙の天王石虎が前燕征伐の兵を挙げると、多くの郡県が後趙に寝返る中、孫興は官吏と民衆を説得し、後趙に降伏しようとした営丘内史の鮮于屈を捕らえて処刑しました。そして、城門を閉ざして籠城し、後趙に屈することなく抵抗しました。

その後、北平郡太守に任じられました。349年5月、後趙で皇帝石虎が死去し、皇族同士が殺し合う大混乱が起こると、孫興は燕王慕容儁に「石氏の大乱に乗じて中原を奪うべきです」と上表しました。しかし、当時は慕容儁の父である慕容皝の喪中であったため、この進言は受け入れられませんでした。

351年8月には、中山郡太守に任じられ、まだ占領して間もない中山を統治しました。孫興は善政を敷き、民を慰撫したため、中山を安定させることに成功しました。

その後、豫州刺史に任じられました。362年1月、洛陽攻撃を請い、「晋将陳祐は弱兵わずか1千余りで孤立した城を守っています。攻略しない手はありません！」と上疏しました。皇帝慕容暐はこれを聞き入れ、護軍将軍傅顔と寧南将軍呂護に兵を与えて河陰に駐屯させました。

364年7月、歩兵5千を率いて洛陽を包囲しました。太宰慕容恪が洛陽攻略に向かうと、太宰司馬悦希を盟津に進軍させました。孫興は軍を分け、悦希の後援として成皋を守備しました。

これ以後の孫興の事績は、史書には記されていません。

参考文献

『晋書』巻111
『資治通鑑』巻96、巻98、巻99、巻101
* 『十六国春秋』巻24、巻26、巻28

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