宮田仁 (競馬)

宮田仁：北海道が生んだ名騎手の軌跡

宮田仁氏は、1951年北海道に生まれ、1970年3月1日、東京・大久保末吉厩舎から騎手としてデビューしました。デビュー戦で初勝利を飾ると、同年中には特別競走も制覇し、8勝を挙げる好スタートを切ります。翌1971年には13勝を挙げ、1974年まで4年連続で2桁勝利を達成するなど、若手ながら頭角を現しました。

特に1972年は、怪我で休養中の谷原義明氏に代わり、イナボレスの主戦騎手として活躍します。オールカマーでは、11頭中9番人気という低評価を覆し、ハクホオショウやオンワードガイといった有力馬を抑えて優勝。自身初の重賞制覇を飾りました。この勝利は、馬主である稲富稜人氏の選挙活動にも大きく貢献し、稲富氏は同年12月の衆議院選挙で当選を果たしています。

1974年にはイナボレスで金杯（東）を制し、重賞2勝目を挙げます。さらに、目黒記念（春）、ダイヤモンドステークスでも好成績を収め、中央招待競走では中央馬最先着を果たすなど、活躍の場を広げました。同年は自己最多の17勝を記録し、トップジョッキーとしての地位を確固たるものにしました。

1976年からは、「走る労働者」の異名を持つトウフクセダンの主戦騎手を務め、1977年には東京新聞杯、オールカマーで勝利を収めます。さらに、有馬記念では5着、中山記念では2着と、一流馬を相手に好成績を収めました。1978年にはダイヤモンドステークスを制覇し、天皇賞ではグリーングラスに迫る2着と、トップクラスの実力を示しました。

1977年からはメジロファントムの主戦騎手も務め、京成杯では2着、弥生賞では3着と活躍しましたが、クラシック戦線は骨折により断念しました。その後復帰し、1979年には金杯（東）で2着、東京新聞杯で勝利するなど活躍を続けましたが、1980年の宝塚記念を最後に、横山富雄氏に主戦騎手を譲りました。

1981年には師匠である大久保末吉氏の死去に伴い、谷原氏と共に大久保洋吉厩舎へ移籍。その後も騎手として活躍を続けましたが、1995年2月25日、中山競馬場でのレースを最後に現役を引退しました。通算成績は17年間で1700戦以上もの騎乗経験を持ち、数々の勝利を収めました。

引退後は藤原辰雄厩舎の調教助手として活躍しました。

宮田氏の騎手生活は、数々の名馬との出会い、そして幾多の苦難を乗り越えて掴んだ勝利の数々、そして常にトップジョッキーを目指した揺るぎない情熱に満ちたものでした。その功績は、日本の競馬史に大きな足跡を残しています。彼の活躍は、多くの競馬ファンに感動と興奮を与え続け、今も語り継がれる伝説となっています。

主な騎乗馬

イナボレス：オールカマー、金杯（東）など
トウフクセダン：東京新聞杯、オールカマー、ダイヤモンドステークスなど
* メジロファントム：東京新聞杯など

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