岩谷滋雄

岩谷滋雄氏の経歴と業績

岩谷滋雄氏は、1950年生まれの日本の外交官であり、国際公務員としても活躍しました。駐オーストリア特命全権大使、第2代三国協力事務局長などを歴任し、国際社会における日本のプレゼンス向上に貢献しました。

生い立ちとキャリア初期

高知県出身の岩谷氏は、1969年に愛光高等学校を卒業後、1973年に一橋大学法学部を卒業し、外務省に入省しました。外務省では、英語研修（米国）、国連政府代表部一等書記官、在インドネシア大使館一等書記官、経済協力局政策課企画官などを歴任。国際連合局科学課長、在ドイツ日本国大使館参事官、在中国公使（文化担当）など、要職を歴任しました。

法務省での勤務

1998年には法務省に異動し、入国管理局政策課長、仙台入国管理局長を歴任しました。その後、2001年に外務省に戻り、領事移住部審議官に就任。2002年には内閣府の遺棄化学兵器処理担当室長として、ハルバ嶺遺棄化学兵器の廃棄処理事業を推進しました。その後、2004年には在ドイツ公使、2005年にはホノルル総領事を務めました。

大使としての活躍

2007年8月にはケニア国駐箚特命全権大使（ブルンジ国、エリトリア国、セーシェル国、ルワンダ国兼轄）に就任。2010年8月からはオーストリア国駐箚特命全権大使となり、同年10月より兼駐コソボ、マケドニア大使も務めました。2013年9月には第2代三国協力事務局長に就任。2016年からはリンガハウス教育研究所の理事長を務めています。外務省記録審査員や日墺協会の理事も務めるなど、幅広い分野で活躍しました。

主な業績

遺棄化学兵器処理: 内閣府遺棄化学兵器処理担当室長時代には、ハルバ嶺の遺棄化学兵器の廃棄処理事業を推進し、国際的な化学兵器問題の解決に貢献しました。
ビジット・ジャパン・キャンペーン: ホノルル総領事時代には、総領事館内で発足したビジット・ジャパン・キャンペーンホノルル推進会の会長を務め、国土交通省などと連携し、日本とハワイ間の観光交流を促進しました。
ケニアでの人質事件: ケニア大使時代には、エチオピアで日本人医師が誘拐された事件で、現地対策本部長として指揮を執り、人質解放に尽力しました。解放後には記者会見で医師の無事を報告しました。
環境保護活動への貢献: ケニアの環境保護活動家ワンガリ・マータイ氏に旭日大綬章を伝達し、同国の環境保護活動を支援しました。また、兼轄するブルンジ共和国との間では、環境プログラム無償資金協力に関する書簡交換を行い、同国の環境問題解決にも貢献しました。

同期入省の外交官

岩谷氏と同期入省の外交官には、河野雅治、塩尻孝二郎、天野万利、塩崎修、坂場三男、伊藤哲雄、加来至誠、杉本信行、鈴木一泉、中村滋、鹿取克章、黒田義久、並木芳治、塩口哲朗、水野達夫、堀江正彦、神谷武、岡田眞樹、小林正雄、川原英一、佐藤博史、吉田潤などがいます。彼らもまた、日本の外交を支える重要な存在として、国際社会で活躍しています。

著作

岩谷氏は「海洋法会議第6会期」という論文を季刊海洋時報に発表しています。この論文は、国際海洋法に関する専門的な知識を活かしたもので、彼の幅広い知識と専門性を示しています。

岩谷滋雄氏は、外交官、国際公務員として、国際社会における日本のプレゼンス向上に大きく貢献しました。その多岐にわたる業績は、外交官としての卓越した能力と、国際社会への貢献意欲を物語っています。

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