帯広さやか

概要

帯広 さやか（おびひろ さやか、1986年9月2日 - ）は、日本の女子プロレスラーです。北海道帯広市出身。

キャリアを通じて様々な団体に所属し、独特の存在感を発揮してきました。アイスリボンでデビュー後、19時女子プロレスの立ち上げに関わり代表を務め、その後再びアイスリボンに所属。現在はチョコプロレスリングを主戦場として活動しています。

経歴

プロレスラーとしての第一歩は、2010年4月29日にアイスリボン道場マッチで、しもうま和美選手を相手に踏み出しました。そのわずか1ヶ月後には、新たな配信主体のプロレス団体「19時女子プロレス」の旗揚げが発表され、帯広選手はその代表に就任し、団体を牽引する立場となりました。同年5月29日にはプレ旗揚げ戦、6月1日には正式な旗揚げ戦が行われました。

19時女子プロレスでの活動と並行してアイスリボンにもレギュラー参戦。同年8月には団体初勝利、さらにアイスリボンで初の自力ピンフォール勝ちを収めるなど、選手としても成長を見せました。また、米山香織選手が提唱する「米山革命」に共鳴し、「米山革命（帯広）」を掲げてJWP認定無差別級王座への挑戦をアピール。異例とも言える機会を得て挑戦を果たしましたが、王座奪取には至りませんでした。アイスリボンのタッグタイトルやJWPのジュニア王座挑戦者決定トーナメント決勝にも進出するなど、主要な試合にも多数出場しました。

2011年1月には右肩の脱臼癖を治療するため長期欠場に入り、一時帰郷しました。復帰後はリハビリを兼ねてスタッフとして活動し、5月には19時女子プロレスのMCとしてマイク復帰。同年8月にリング復帰を果たし、再びアイスリボンの大会に出場するようになりました。同年8月には19時女子プロレスの閉鎖が発表され、団体はアイスリボンに統合。帯広選手もアイスリボンの所属選手となりました。

2012年には19時女子プロレスのトーナメントにも参加。同年5月5日、後楽園ホール大会で希月あおい選手とのタッグチーム「ハッピーメーカーズ」として、ドロップキッカーズ（藤本つかさ選手＆つくし選手組）が保持するインターナショナル・リボンタッグ王座に挑戦。試合時間残りわずかという劇的な状況でタイトル奪取に成功し、自身初のタイトルを獲得しました。その後も木村響子選手とのタッグで同タイトルやREINA世界タッグ王座を獲得するなど、タッグ戦線で活躍しました。

同年11月末、アイスリボンからの退団を発表。12月31日の後楽園ホール大会がアイスリボン所属としての最後の試合となり、タッグ王座を防衛できずに団体を去ることになりました。その後、我闘雲舞への入団を発表し、さくらえみ選手と共にタイへ渡航し、現地での活動も行いました。我闘雲舞では「いつでもどこでも挑戦権」を巡るDDTプロレスリングとの交流や、チーム遠藤の結成など、ユニークなエピソードを多く生み出しました。

プロレス活動以外では、2014年にはテレビ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」に出演。2015年からはDDTプロレスリングが運営する飲食店「エビスコ酒場」のスタッフとしても勤務しています。

人物

高校時代に観戦した北斗晶選手の引退試合に衝撃を受け、女子プロレスの世界に魅せられました。GAEA JAPANや我闘姑娘の試合も熱心に視聴していたといいます。プロレスラーを目指すきっかけとなったのは、2009年に地元札幌で開催されたNEO女子プロレスの大会を観戦したことでした。

プロレスに出会う前は野球に打ち込んでおり、所属チームでは副キャプテンを務めるほどでした。試合中には野球用のバッティンググローブを着用しており、野球への愛着を覗かせています。

そのキャラクターは非常に個性的で、「生きているのが奇跡」と称されるほどのドジっぷりから、失敗談は「帯る（おびる）」という動詞で表現されるほどです。ストーブの前や入浴中に寝てしまうなど、天然な一面も持ち合わせています。一方で、試合になるとそのドジさや天然さを逆手に取ったような、変則的なロープワークや予測不能な動きで相手を翻弄するしたたかさも見せます。

しもうま和美選手の影響を受け、一生懸命でハイテンションなキャラクターをリング上で表現。特に、感情を込めて必死に言葉を紡ぎ出すマイクパフォーマンスは、会場のファンから大きな支持を集めました。

私生活では、一時的に米山香織選手と同居していた時期があります。また、外国人選手のワンチューロ選手とは非常に親交が深く、ワンチューロ選手が日本に滞在する際には「帯チューロ」というタッグチームを結成してファンを楽しませました。

ファイトスタイル・得意技

基本に忠実なドロップキックや逆水平チョップに加え、個性的な技や動きを多用します。

スタルヒンチョップ: ダブルハンドチョップ。GENTARO選手によって命名され、カウンターや雪崩式のバリエーションもあります。
帯広パック: コーナー上で相手を待ち伏せ、そのまま回転エビ固めに持ち込む丸め込み技です。
変則ロープワーク: 相手と関係なくリングを斜めに走ったり往復したりして、相手を撹乱します。
帯広マジック: 立っている相手との攻防から、いつの間にかエビ固めに移行するトリッキーな動きです。
バース: 相手の足元にヘッドスライディングで潜り込み、足を掴んで後方回転しながら丸め込む得意技です。
地獄突き: 小仲＝ペールワン選手から伝授されたとされる打撃技です。
19時女子プロレスアピール: 相手をロープに固定してチョップなどの打撃を19回連続で繰り出し、「19時は！女子プロレスー！」と叫ぶアピールです。

獲得タイトル

第24代および第30代インターナショナルリボンタッグ王座（パートナーは希月あおい選手、木村響子選手）
第6代REINA世界タッグ王座（パートナーは木村響子選手）
第2代アジアドリームタッグ王座（パートナーは希月あおい選手）

入場曲

全開スタイル
ブルーオーシャン・ストラテジー

多くの団体を渡り歩き、その場その場で独自のキャラクターとファイトスタイルで爪痕を残してきた、唯一無二のプロレスラーです。

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